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M&A用語解説

FA(ふぃなんしゃる・あどばいざー/Financial Adviser)

FA(フィナンシャル・アドバイザー)とは、M&Aにおいて、譲り渡し側または譲り受け側の一方との契約に基づいて、マッチング支援等を行う支援機関をいいます。国の中小M&Aガイドラインは、一部のM&A専門業者がこれに該当するとしており、業務範囲は個別の支援機関ごとに異なります(中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)」18頁(PDF))。「アドバイザー」という呼称との関係については、アドバイザーを参照してください。

海外では、主に大規模なM&Aに関して、高度な助言業務等を提供するFAに限ってFA(Financial Adviser)と称することがありますが、我が国では中小M&Aに関しても、一方との契約に基づいてマッチング支援等を行う支援機関をFAと称することが一般的であるため、中小M&Aガイドラインはこの解釈に従うとしています(中小M&Aガイドライン18頁)。これに対し、仲介者は、譲り渡し側・譲り受け側の双方との契約に基づいてマッチング支援等を行う支援機関です(中小M&Aガイドライン17頁)。仲介者の場合は、双方と契約を締結の上、双方に手数料を請求することが通常です(中小M&Aガイドライン39頁)。

FAが依頼者との間で結ぶ契約を「FA契約」といいます(中小M&Aガイドライン18頁)。その名称は「業務委託契約」「アドバイザリー契約」等とされることもあります(中小M&Aガイドライン37頁)。業務範囲・内容は各仲介者・FAによって異なり、中小M&Aガイドラインは例として、マッチングまで、バリュエーション(企業価値評価・事業価値評価)やデュー・ディリジェンス(DD)まで、株式譲渡や事業譲渡といった具体的なスキーム(手法)の策定まで、クロージング(決済)まで、PMI(M&A実行後における事業の統合に伴う作業)までといった形を挙げています(中小M&Aガイドライン38頁)。手数料の体系も、着手金・月額報酬・中間金・成功報酬といった例がありますが、金額や体系は各仲介者・FAによって異なります(中小M&Aガイドライン39頁)。

※FAの業務範囲や手数料は、契約ごとに異なります。依頼前に、FA契約の内容を個別に確認する必要があります。

なぜM&Aで重要か

M&Aでは、案件を進める手続の多くを支援機関に任せることが多く、FAをはじめとする支援機関の選び方が成否に影響し得ます。中小M&Aガイドラインは、仲介者・FAの選定に当たって、業務形態や業務範囲・内容、契約期間、報酬(手数料)体系、M&A取引の実績、利用者の声等を確認した上で、複数の仲介者・FAの中から比較検討して決定することが重要であるとし、どちらの業務形態が自身にとって適しているかも検討すべきであるとしています。また、「M&A支援機関登録制度」のホームページでは、同制度に登録された仲介業務またはFA業務を行う支援機関のデータベースが提供されており、選定の際の情報収集手段として有用であるとしています(中小M&Aガイドライン37頁)。

FA契約の締結に当たっては、M&Aに関する希望条件を明確に伝えつつ、締結前に納得がいくまで十分な説明を受けることが必要であり、特に業務の具体的な内容や報酬の妥当性等については、必要に応じて事業承継・引継ぎ支援センターを含め、他の支援機関に意見を求めること(セカンド・オピニオン)も有効であるとされています(中小M&Aガイドライン38頁)。

FAの支援には限界もあります。中小M&Aガイドラインは、クロージング後の両当事者間の紛争解決への関与・支援について、基本的には仲介者・FAによる役務提供がクロージング時点において終了していることや、紛争解決への関与・支援は非弁行為に該当する可能性があることから、仲介者・FAによる支援には限界があると指摘しています(中小M&Aガイドライン57頁)。このほか、マッチング、バリュエーション、DD、契約交渉、クロージング等のどの工程を誰が担うのかをFA契約で確認しておくことが重要です(関連用語:エグゼキューション)。

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監修者情報
監修者 佐藤信(IRI M&Aコンサルティング株式会社 取締役)
監修

佐藤 信(さとう あきお)

M&A・事業承継の専門家|IRI M&Aコンサルティング株式会社

IRI M&Aコンサルティング株式会社 取締役。M&A・事業承継に関する実務経験をもとに、中小企業の譲渡・譲受、事業承継、企業価値評価などの支援に従事。本サイトでは、専門用語を初めて学ぶ方にも理解しやすい表現を心掛け、実務で活用できる情報の監修を担当しています。

投稿者: IRI M&Aコンサルティング編集部 | 2026年10月1日 | 最終更新日: 2026年10月20日
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