M&Aコンサル用語集TOP / タ行 / 投資銀行閲覧数:256回
M&A用語解説
投資銀行(とうしぎんこう/Investment Bank)
投資銀行とは、株式・債券等の引受けによる企業等の資金調達の支援や、M&Aなどに関する財務アドバイザリーを行う金融サービス業者(業態)を指して用いられる呼称です。こうした業務は「投資銀行業務」と呼ばれることもあり、大手の投資銀行は、これらに加えてトレーディング等を手がけることもあります。日本の法令上、「投資銀行」という名称の免許・資格は確認できません(2026年10月時点のe-Gov法令検索では、日本政策投資銀行などの固有名称を除き、この語を用いた法令はありませんでした)。
米国では、1933年銀行法(グラス・スティーガル法)により、商業銀行と投資銀行の業務が分離されました。連邦準備制度の解説によれば、商業銀行は預金の受入れと貸付けを行う一方で、証券業務は原則として制限され(政府債の引受けなどには例外がありました)、投資銀行は証券の引受け・売買を行う一方で、商業銀行との密接な関係(取締役の兼任や所有の共有)を禁じられました(Federal Reserve History「Banking Act of 1933 (Glass-Steagall)」)。その後、1999年のグラム・リーチ・ブライリー法(金融サービス近代化法)により、銀行と証券会社の間の関係(affiliations)を制限していた1933年銀行法の規定が廃止されました(Federal Reserve History)。また、連邦準備制度理事会は2008年9月21日、ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーが銀行持株会社となる申請を承認しました(FRB Press Release 2008年9月21日)。
日本では、有価証券の引受けは、金融商品取引法2条8項6号により「金融商品取引業」に当たる行為とされ、これを業として行うことは、金融商品取引法28条1項3号(イからハまで)に掲げる行為として「第一種金融商品取引業」に区分されています。もっとも、「投資銀行」自体が金融商品取引法上の登録区分になっているわけではなく、業務内容に着目した実務上の呼称です。
※個別の取扱いについては、弁護士等の専門家にご確認ください。
M&Aにおいて、投資銀行は、売り手または買い手の一方の財務アドバイザーとして助言を行うことがあります。中小企業庁の「中小M&Aガイドライン(第3版)」(令和6年8月・PDF)は、中小M&Aを対象に、一方当事者との契約に基づいてマッチング支援等を行う支援機関をFA(フィナンシャル・アドバイザー)と整理しています。海外ではFAを大規模M&Aの助言者に限って呼ぶ場合があることも注記されています(中小M&Aガイドライン18頁)。
M&Aの助言を専門とする会社は、M&Aブティックと呼ばれることがあります。投資銀行もM&Aブティックも実務上の呼称であり、業務範囲や体制は各社で異なります。依頼先を検討する際は、助言の内容に加えて、契約の相手方(一方のみか双方か)や手数料体系を確認することが重要です。
