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M&A用語解説
アドバイザー(あどばいざー/Advisor)
アドバイザーとは、M&Aにおいて、譲り渡し側や譲り受け側に対し、相手先の探索や手続の進行などについて助言・支援を行う会社や専門家を指して、実務上用いられる呼称の一つです。「アドバイザー」は、国の中小M&Aガイドライン(第3版)でも単独の用語としては定義されておらず、「FA(フィナンシャル・アドバイザー)」という名称の中で用いられています(中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)」17頁(PDF)・18頁)。このため、「アドバイザー」という呼称だけでは、指す範囲が定まりません。
中小M&Aガイドラインは、中小M&Aを支援する機関を「支援機関」と呼び、M&A専門業者、金融機関、商工団体、士業等専門家、M&Aプラットフォーマーのほか、事業承継・引継ぎ支援センター等の公的機関等をいうとしています(中小M&Aガイドライン16頁)。このうちM&A専門業者は、マッチング支援や手続進行に関する総合的な支援(マッチング支援等)を専門に行う民間業者で、主に仲介者・FAに分類されます(中小M&Aガイドライン16頁・17頁)。また、公認会計士、税理士、中小企業診断士、弁護士等の士業等専門家の中にも、本来業務のほか、マッチング支援等を行う者がいます(中小M&Aガイドライン17頁)。
仲介者は、譲り渡し側・譲り受け側の双方との契約に基づいてマッチング支援等を行う支援機関です(中小M&Aガイドライン17頁)。FAは、譲り渡し側または譲り受け側の一方との契約に基づいてマッチング支援等を行う支援機関です(中小M&Aガイドライン18頁)。金融機関や士業等専門家などが同様の業務を行う場合も、業務の性質・内容が共通する限り、中小M&Aガイドライン上、仲介者またはFAとして扱われます(中小M&Aガイドライン17頁・18頁)。したがって、「アドバイザー」と呼ばれる会社や専門家が仲介者とFAのいずれに当たるかは、呼称ではなく、契約の当事者や業務内容によって区別されます。
中小M&Aガイドラインは、仲介者は双方の意向を一元的に把握して助言や調整を行い、FAは依頼者の意向を踏まえて、依頼者にとって有利な条件でのM&Aの成立を目指して助言や調整を行うと整理しています。手数料についても、仲介者は通常、譲り渡し側・譲り受け側の双方から受け取り、FAは契約を結んだ一方から受け取るとされています(中小M&Aガイドライン42頁)。同じ「アドバイザー」という呼び方でも、仲介業務とFA業務のどちらを行うかによって、助言の方向性や手数料を支払う当事者が異なります。
中小M&Aガイドラインは、業務形態(仲介またはFA)により留意すべき事項が異なるため、いずれの業務形態であるかを確認しておく必要があるとしています(中小M&Aガイドライン38頁)。業務範囲・内容や手数料の金額・体系も、各仲介者・FAによって異なります(中小M&Aガイドライン38頁・39頁)。手数料の体系としては、着手金、月額報酬、中間金、成功報酬などが例示されています(中小M&Aガイドライン39頁)。契約を締結する際は、希望条件を明確に伝えつつ、締結前に納得がいくまで十分な説明を受けることが必要であり、業務の具体的な内容や報酬の妥当性等については、必要に応じて事業承継・引継ぎ支援センターを含む他の支援機関に意見を求めること(セカンド・オピニオン)も有効とされています(中小M&Aガイドライン38頁)。この契約は「仲介契約」「FA契約」のほか、「アドバイザリー契約」等の名称とされることもあります(中小M&Aガイドライン37頁)。契約内容のポイントについては、アドバイザリー契約も参照してください。
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