M&Aコンサル用語集TOP / サ行 / 種類株式閲覧数:263回
M&A用語解説
種類株式(しゅるいかぶしき)
種類株式とは、会社法第108条第1項各号に掲げる事項(剰余金の配当、残余財産の分配、株主総会において議決権を行使できる事項など)について異なる定めをした、内容の異なる2以上の種類の株式をいいます。種類株式を発行する場合、株式会社は発行する各種類の株式の内容と発行可能種類株式総数を定款で定める必要があります(会社法第108条第2項)。
株主は、剰余金の配当を受ける権利、残余財産の分配を受ける権利、株主総会における議決権など、法律の定める権利を有し(会社法第105条第1項)、株式会社は株主をその有する株式の内容及び数に応じて平等に取り扱わなければならないとされています(会社法第109条第1項)。議決権については、株主は原則として保有する株式1株につき1個の議決権を有します(会社法第308条第1項)。種類株式は、こうした株式の内容の一部を株式の種類ごとに異なる定めとするものです。会社法第108条第1項は9つの事項を列挙しており、代表的なものとして優先株式(1号・2号)、議決権制限株式(3号)、譲渡制限種類株式(4号)、取得請求権付株式(5号)、取得条項付株式(6号)、全部取得条項付種類株式(7号)、拒否権付株式(8号)、役員選任権付株式(9号)があります。ただし9号は、指名委員会等設置会社および公開会社では発行できません(同項ただし書)。
ある種類の株式の内容として、株主総会、取締役会又は清算人会の決議に加えて、その種類株主による種類株主総会の決議を必要とする旨を定款で定めている場合(会社法第108条第1項第8号、いわゆる拒否権付株式)や、会社の一定の行為が特定の種類株主に損害を及ぼすおそれがある場合(会社法第322条)には、所定の機関決議等に加えて、種類株主総会の決議が必要となることがあります。
※種類株式の設計・発行手続の詳細は、個別の資本政策・株主構成に応じて弁護士等の専門家にご確認ください。
事業承継やM&Aの資本政策では、経営権(議決権)を後継者や買い手に集中させつつ、他の株主には配当を優先する、あるいは、あらかじめ定款で定めた事由の発生を条件として会社が株式を取得できるようにする(取得条項付株式)、株主総会の特別決議によって会社がある種類の株式の全部を取得できるようにする(全部取得条項付種類株式)など、複数の種類株式を組み合わせて設計するケースが多くあります。
デューデリジェンスでは、対象会社の発行済株式に普通株式以外の種類株式が含まれていないかをまず確認し、含まれる場合は各種類の内容(議決権の有無、配当・残余財産の優先関係、取得請求・取得条項の有無)と、種類株主総会決議が必要となる場面の有無を個別に確認する必要があります。
