取得条項付株式(しゅとくじょうこうつきかぶしき)👁 閲覧数:175回

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M&A用語解説

取得条項付株式(しゅとくじょうこうつきかぶしき)

取得条項付株式とは、一定の事由が生じたことを条件として、株式会社が株主からその株式を取得できる旨の定款の定めがある株式をいいます。発行する全部の株式の内容として定める場合(会社法第107条第1項第3号)と、一部の種類株式の内容として定める場合(会社法第108条第1項第6号)があります。

定款には、取得の事由、取得と引き換えに対価を交付する場合はその内容(社債、新株予約権、新株予約権付社債、金銭などの財産。種類株式では他の株式も可)、一部のみを取得する場合はその旨と決定方法などを定めます(会社法第107条第2項第3号、会社法第108条第2項第6号)。定めた事由が生じると、会社は原則としてその日にその株式を取得し、対価を交付する定めがある場合、株主はその定めに従って対価を受けることになります。ただし、一部のみを取得する場合は、取得する株式の決定の通知(公告)から2週間を経過した日と事由が生じた日のうち、遅い日に取得します(会社法第170条)。

取得事由を「会社が別に定める日の到来」とする場合、その日は株主総会(取締役会設置会社では取締役会)の決議で定め、2週間前までに株主等へ通知します(会社法第168条)。株式の一部のみを取得する場合も、取得する株式を同様の決議で決定し、直ちに通知します(会社法第169条)。取得日や取得する株式を決定する機関については、定款に別段の定めがある場合はそれによります。これらの通知は公告に代えることもできます。なお、対価として社債、新株予約権、金銭などの財産(他の株式を除く)を交付する場合、その帳簿価額が取得の日(事由が生じた日。一部取得の場合は前記の遅い日)の分配可能額を超えるときは、会社法第170条第5項により、会社法第170条第1項から第4項までの規定は適用されず、株式の取得の効力は生じません。

発行後に取得条項を付す定款変更には、株主全員の同意が必要です(会社法第110条。種類株式発行会社では、その種類の株主全員の同意、会社法第111条第1項)。株主総会の特別決議で種類株式の全部を取得する「全部取得条項付種類株式」(会社法第108条第1項第7号)は、本用語とは別の類型です。

※種類株式の設計・発行手続の詳細は、個別の資本政策・株主構成に応じて弁護士等の専門家にご確認ください。

なぜM&Aで重要か

事業承継の資本政策では、退職や死亡等の一定の事由が生じた場合に会社が株式を取得できるようにし、株式が想定外の第三者や相続人に分散するのを防ぐ手段として取得条項付株式が用いられることがあります。

M&Aのデューデリジェンスでは、対象会社が取得条項付株式を発行している場合、定めた取得事由がすでに発生していないか、取得と引き換えに交付する対価が買収後の資本構成にどう影響するか、取得条項を設けた定款変更が株主全員の同意など所定の手続を経ているかを確認する必要があります。

この用語のカテゴリー

会社法

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監修者情報
監修者 佐藤信(IRI M&Aコンサルティング株式会社 取締役)
監修

佐藤 信(さとう あきお)

M&A・事業承継の専門家|IRI M&Aコンサルティング株式会社

IRI M&Aコンサルティング株式会社 取締役。M&A・事業承継に関する実務経験をもとに、中小企業の譲渡・譲受、事業承継、企業価値評価などの支援に従事。本サイトでは、専門用語を初めて学ぶ方にも理解しやすい表現を心掛け、実務で活用できる情報の監修を担当しています。

投稿者: IRI M&Aコンサルティング編集部 | 2016年10月21日 | 最終更新日: 2026年10月20日
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