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M&A用語解説
M&A(えむ・あんど・えー)
M&Aとは、「Mergers(合併)and Acquisitions(買収)」の略称であるが、我が国では広く、会社法の定める組織再編(合併や会社分割)に加え、株式譲渡や事業譲渡を含む、各種手法による事業の引継ぎ(譲り渡し・譲り受け)をいう(中小M&Aガイドライン16頁)。
中小M&Aで用いられる主な手法として、中小M&Aガイドラインの参考資料1は、株式譲渡、事業譲渡、会社分割、合併、業務提携・資本提携を挙げている。株式譲渡は、譲り渡し側の株主が保有する発行済株式を譲り受け側に譲渡する手法であり、株主が変わるだけで会社組織はそのまま引き継がれ、資産、負債、従業員、契約、許認可は原則として存続する。ただし、チェンジ・オブ・コントロール条項がある契約は、事前の協議が必要になることがある(中小M&Aガイドライン参考資料1の1頁)。事業譲渡は、事業の全部又は一部を譲り受け側に譲渡する手法であり、資産・負債・契約・許認可を個別に移転するため、契約関係は債権者や従業員の同意を得て一つずつ切り替える必要があり、許認可は譲り受け側に承継されないことが多く、新規取得が必要になる場合がある(中小M&Aガイドライン参考資料1の1〜2頁)。
会社分割と合併は、会社法が定める組織再編手続である。会社分割は、事業に関する権利義務の全部又は一部を他の会社(又は新設会社)に包括的に承継させるものであり(中小M&Aガイドライン参考資料1の2頁)、合併は、譲り渡し側の権利義務の全部を他の会社(又は新設会社)に包括的に承継させ、譲り渡し側は消滅するものである(中小M&Aガイドライン参考資料1の3頁)。
業務提携・資本提携も、同資料は「その他の手法」に含めている。業務提携は、共同物流、資材の共同調達、商品の共同開発など、企業間の業務上の協力関係であり、事業承継に向けた第一歩と位置付けられる。資本提携は、業務提携の強化や資本増強のため、一定の限度で相互に株式を持ち合う、一方の株式を取得する、第三者割当増資を行うなどの手法である(中小M&Aガイドライン参考資料1の3頁)。
※実際にどのスキーム(手法)を選択するかは、対象会社の状況や取引の目的、税務上の影響などによって異なるため、専門家にご確認ください。
中小企業は、通常、親族内や社内から後継者候補を選ぶが、親族にも社内にも候補がいない場合、事業承継の選択肢は社外の第三者に後継者を求めることに限られ、それが実現しなければ廃業せざるを得ない。中小M&Aは、このような後継者不在の中小企業が、社外の第三者による事業承継のためにM&Aの手法を用いるものである(中小M&Aガイドライン27頁)。
中小M&Aガイドラインの初版の「はじめに」は、2025年(令和7年)までに平均引退年齢の70歳を超える中小企業・小規模事業者の経営者が約245万人にのぼり、そのうち約半数の約127万人は後継者が未定と見込まれること、後継者が不在で対策を講じなければ廃業せざるを得ず、従業員の雇用が失われたり、取引の断絶によりサプライチェーンに支障が生じたりするおそれがあることを指摘している(中小M&Aガイドライン13頁)。
M&Aは経営権や従業員の処遇に関わる重要な意思決定であるため、実務上は、基本合意書の締結やデューデリジェンスを経て、専門家の支援を受けながら進めることが考えられる。
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