LBO(ればれっじど・ばいあうと/Leveraged Buyout)👁 閲覧数:268回

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M&A用語解説

LBO(ればれっじど・ばいあうと/Leveraged Buyout)

LBO(レバレッジド・バイアウト)とは、借入金(レバレッジ)を活用して企業や事業を買収するM&A手法の総称です。買収実行主体(多くはSPC=買収目的会社)が金融機関等から資金を借り入れ、対象会社が生み出す将来のキャッシュフローを返済原資とすることで、買い手は少ない自己資金(エクイティ)で買収を実行できます。マネジメント・バイアウト(MBO)やMBIのように、経営陣や外部経営者が買い手となる案件でもLBOの手法が組み合わされることが多く、LBOはあくまで買収資金の調達手法を指し、誰が買収するか(MBO・MBIなど)とは区別される概念です。

買収ファイナンスは、返済順位に応じて複数の階層で組成されるのが一般的です。最優先で返済されるシニアローン、シニアローンとエクイティの中間に位置し優先株式や劣後ローンの形をとるメザニン、そして買い手(多くの場合はエクイティを提供するバイアウト・ファンド等のスポンサー)が拠出するエクイティの三層構造が典型例で、対象会社の返済能力(EBITDA等を基礎として、税金、運転資金の増減、設備投資等を考慮して算定されるキャッシュフロー)を精査したうえで、どこまでをシニアローンで賄い、どこから先をメザニンで補うかが設計されます。

LBOローンの融資契約には、貸し手が財務悪化の兆候を早期に把握するための財務制限条項(コベナンツ)が付されるのが通常です。代表的なものに、ネット・デット(純有利子負債)をEBITDAで除したレバレッジ・レシオを一定倍率以下に維持する条項や、返済原資を元利金支払額で除したDSCR(デット・サービス・カバレッジ・レシオ)を一定倍率以上に維持する条項があり、多くは四半期ごとに継続して基準を満たすことを求める維持型コベナンツとして設計されます。基準に抵触するおそれが生じた場合、貸し手との協議を経てウェイバー(違反免除)や契約条件の変更(アメンドメント)で対応するのが一般的な実務です。

税務上は、対象純支払利子等の額が調整所得金額の20%を超える部分の損金算入を制限する過大支払利子税制(租税特別措置法66条の5の2)が問題となり得ますが、支払利子等のうち、受取側において我が国の課税対象所得に含まれるものは原則として対象外支払利子等とされるため、国内金融機関への支払利子などは一般に本制度の対象外となる場合があります。一方、国外の支配株主や資金供与者からの借入について、当該借入等に係る平均負債残高が資本持分の原則3倍を超える場合に超過部分の利子の損金算入を制限する過少資本税制(租税特別措置法66条の5)は、国外の関連者からの資金調達を対象とする制度であり、国内の銀行融資が中心となる一般的なLBOでは直接問題とならない場合が多い一方、国外支配株主等や一定の資金供与者等から資金を調達する場合には、メザニン・ローンを含め、過少資本税制の適用関係る彵意する必要があります。

※実際の税務上の取扱いは個別の資金調達構造・貸し手の属性によって異なるため、税理士等の専門家にご確認ください。

なぜM&Aで重要か

LBOは、買い手が多額の自己資金を用意できない場合でも、対象会社自身の稼ぐ力(キャッシュフロー創出力)を裏付けに借入によって買収を実現できる点にM&A上の意義があります。借入金というレバレッジ(梃子)を利かせることで、買い手が投じる自己資金に対するリターンの最大化を図れるため、投資回収の極大化を目指すバイアウト・ファンドにとってはM&Aの中心的な手法となっています。そのため、安定的かつ予見可能なキャッシュフローを生み出す事業であることが、LBOの対象となる事業に求められる重要な条件となります。

実務上は、経営陣が既存株主から自社を買収するマネジメント・バイアウト(MBO)や、外部の経営者が投資ファンド等とともに買収に参加するMBIの資金調達手法として、LBOが組み合わせて用いられる場面が多く見られます。多額の借入を伴うことから、買収後の事業計画・返済計画の実現可能性、および前述の財務制限条項への対応力の検証が、LBO案件の実行可否を左右する重要な論点となります。

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監修者情報
監修者 佐藤信(IRI M&Aコンサルティング株式会社 取締役)
監修

佐藤 信(さとう あきお)

M&A・事業承継の専門家|IRI M&Aコンサルティング株式会社

IRI M&Aコンサルティング株式会社 取締役。M&A・事業承継に関する実務経験をもとに、中小企業の譲渡・譲受、事業承継、企業価値評価などの支援に従事。本サイトでは、専門用語を初めて学ぶ方にも理解しやすい表現を心掛け、実務で活用できる情報の監修を担当しています。

投稿者: IRI M&Aコンサルティング編集部 | 2016年9月16日 | 最終更新日: 2026年10月21日
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