チェンジオブコントロール条項(ちぇんじ・おぶ・こんとろーる・じょうこう/Change of Control)👁 閲覧数:278回

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M&A用語解説

チェンジオブコントロール条項(ちぇんじ・おぶ・こんとろーる・じょうこう/Change of Control)

チェンジオブコントロール条項とは、ある企業が締結している契約(例えば、賃貸借契約、取引基本契約、フランチャイズ契約等)について、当該企業の株主の異動や支配権の変動等により、当該契約の相手方当事者に解除権が発生すること等を定める条項をいう。COC(Change Of Control)条項とも呼ばれる(中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)」(令和6年8月・PDF)22頁)。この条項は契約の中で当事者が定めるものであり、置かれるかどうかや内容は個々の契約によって異なる。2026年10月時点のe-Gov法令検索で「チェンジ・オブ・コントロール」「チェンジオブコントロール」等の語を検索した範囲では、該当する法令は確認できなかった。

定め方は一様ではない。中小企業庁の「中小PMIガイドライン」(令和4年3月・PDF)は、M&Aの実行を契約の相手方(例えば、賃貸人、取引先、フランチャイザー)に通知すれば足りるとする方式だけでなく、相手方の同意を要求する方式等もあり得るとしている(中小PMIガイドライン本文116頁(PDF上117頁))。何をもって「支配権の変動」とするか、その場合に何が起きるか(解除権の発生、通知・同意の要否等)も、契約ごとの定めによって異なり得る。

株式譲渡では、譲り渡し側の法人格に変動はないとされており(中小M&Aガイドライン48頁)、会社自体は契約の当事者のままであるため、株式譲渡のみを理由として当然に契約上の地位が移転したり契約が終了したりするものではないと考えられる。そのうえで、チェンジオブコントロール条項がある場合には、株主の異動を理由として解除権等が生じ得る。これに対し、事業譲渡に伴い、契約上の地位を譲り受け側に移転して契約を引き継ぐ場合は、契約の相手方の承諾が必要になる(民法539条の2)。

※個別の契約の解釈や対応については、弁護士等の専門家にご確認ください。

なぜM&Aで重要か

主要な取引先との契約や、事業所・店舗の賃貸借契約にチェンジオブコントロール条項があると、M&Aに伴う株主の異動等を理由に相手方に解除権が発生し得るため、M&A後の事業の継続に影響するおそれがある(中小M&Aガイドライン22頁、中小PMIガイドライン本文50頁(PDF上51頁)参照)。中小M&Aガイドラインは、M&A実行後の引継ぎ等の作業としてリース契約・賃貸借契約等に関する名義変更等を挙げ、これらについてはクロージング前に協議・交渉を開始することが多いとしたうえで、賃貸借契約等にチェンジオブコントロール条項の定めがある場合には、当該契約等の継続のために事前に賃貸人等との協議や交渉が必要になることがあるため、注意が必要であるとしている(中小M&Aガイドライン56頁)。

中小PMIガイドラインも、M&Aの成立前の段階で、事業継続に重要な取引先を把握するとともに、チェンジオブコントロール条項の有無や内容を確認するとしている(中小PMIガイドライン本文50頁(PDF上51頁))。そのうえで、通知すれば足りる方式の場合には漏れなく通知し、相手方の同意を要求する方式の場合には、原則として同意を得ることが望ましいものの、当該契約の重要性、代替可能性や相手方との交渉コスト等の事情を総合的に考慮し、あえて明示的な同意を取得しないこと等もあり得るとしている(中小PMIガイドライン本文116頁(PDF上117頁))。

このため、譲り受け側はデューデリジェンスで主要な契約の条項を確認し、必要な通知や同意の取得をどの時点で行うか、最終契約書のクロージングの前提条件等にどう織り込むかを検討することが考えられる。中小M&Aガイドラインは、最終契約の主な内容の一つとしてクロージングの前提条件を挙げている(中小M&Aガイドライン49頁)。

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監修者情報
監修者 佐藤信(IRI M&Aコンサルティング株式会社 取締役)
監修

佐藤 信(さとう あきお)

M&A・事業承継の専門家|IRI M&Aコンサルティング株式会社

IRI M&Aコンサルティング株式会社 取締役。M&A・事業承継に関する実務経験をもとに、中小企業の譲渡・譲受、事業承継、企業価値評価などの支援に従事。本サイトでは、専門用語を初めて学ぶ方にも理解しやすい表現を心掛け、実務で活用できる情報の監修を担当しています。

投稿者: IRI M&Aコンサルティング編集部 | 2026年10月5日 | 最終更新日: 2026年10月20日
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