法務デューデリジェンス(ほうむでゅーでりじぇんす)👁 閲覧数:295回

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M&A用語解説

法務デューデリジェンス(ほうむでゅーでりじぇんす)

法務デューデリジェンス(法務DD)とは、M&Aに際して、対象企業の抱える法的なリスク等について、主に譲り受け側(買い手)が必要に応じて行う調査をいいます(中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)」126頁(PDF))。デューデリジェンス(DD)の一種で、中小M&Aガイドラインは、DDが一般に資産・負債等に関する財務調査(財務DD)や株式・契約内容等に関する法務調査(法務DD)等から構成されるとしています(中小M&Aガイドライン21頁)。

実施に当たっては、弁護士が依頼者と協議のうえ、調査対象範囲を決定します(中小M&Aガイドライン126頁)。全般的かつ網羅的に行う場合には、一般に、株式・会社組織、重要な契約、資産及び負債、人事・労務、訴訟・紛争、許認可・コンプライアンス・環境問題等といった観点から調査するケースが多いとされています(中小M&Aガイドライン126頁)。なお、人事労務DDは法務DD等に一部含まれることがあるとされています(中小M&Aガイドライン21頁)。

DDは、想定し得るリスク全般について調査することもあれば、対象事項等を限定して簡易な形で行うこともあり、調査の密度は様々です。中小M&Aの実務では、譲り受け側が専門家費用を投じて本格的なDDを行うことなく、譲り渡し側の数年分の税務申告書の確認や経営者へのヒアリング等の調査だけで終えることもあります(中小M&Aガイドライン47頁)。もっとも、中小M&Aガイドラインは、予算等の制約がある場合であっても、検討対象を絞るなどの工夫をして、実施する調査の内容を検討することが望ましいとしています(中小M&Aガイドライン48頁)。

法務DDは主に譲り受け側が行うものですが、例外的に、譲り渡し側(売り手)が弁護士に依頼して行うこともあり、これはセラーズDDと呼ばれます(中小M&Aガイドライン126頁)。

※調査範囲や個別の法的リスクの評価については、弁護士等の専門家にご確認ください。

なぜM&Aで重要か

株式譲渡では、譲り渡し側の法人格に変動がないため、簿外債務や偶発債務のリスクが比較的高くなりやすく、より詳細なDDが実施される傾向にあるとされています(中小M&Aガイドライン48頁)。法務DDについても、株式譲渡の手法を選択する場合には、譲り渡し側の抱える法的なリスクをそのまま引き継ぎやすいため、全般的かつ網羅的な法務DDを行うことが多いとされています(中小M&Aガイドライン126頁)。

中小M&Aガイドラインは、法務DDで特に重要なこととして、法的な問題点が判明したときに、それがM&Aの実行にどのような影響を与え得るのかを把握することを挙げています(中小M&Aガイドライン126頁)。DDによって、譲り受け側は客観的資料に基づいた検討を行うことができ、そもそもM&Aを実行すべきかを検討し、実行する場合には最終契約書に定める内容・条件(譲渡額、表明保証、補償等)を調整することで、M&A成立後のトラブルを防止できるとされています(中小M&Aガイドライン47頁・48頁)。

譲り渡し側にとっても、DDの調査が十分になされない場合には、最終契約において負う表明保証の範囲や補償額・補償期間等の負担の増加につながり得る点に留意が必要とされています(中小M&Aガイドライン48頁)。

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監修者情報
監修者 佐藤信(IRI M&Aコンサルティング株式会社 取締役)
監修

佐藤 信(さとう あきお)

M&A・事業承継の専門家|IRI M&Aコンサルティング株式会社

IRI M&Aコンサルティング株式会社 取締役。M&A・事業承継に関する実務経験をもとに、中小企業の譲渡・譲受、事業承継、企業価値評価などの支援に従事。本サイトでは、専門用語を初めて学ぶ方にも理解しやすい表現を心掛け、実務で活用できる情報の監修を担当しています。

投稿者: IRI M&Aコンサルティング編集部 | 2026年10月5日 | 最終更新日: 2026年10月20日
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