株式譲渡(かぶしきじょうと)👁 閲覧数:689回

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M&A用語解説

株式譲渡(かぶしきじょうと)

株式譲渡とは、M&Aにおける企業買収の手法の一つで、株式の売却によって対象会社の支配権を移転することにより、M&Aの目的を果たす方法をいいます。会社法127条は「株主は、その有する株式を譲渡することができる」と定めており、株式の譲渡は原則として自由に行うことができます(株式譲渡自由の原則)。もっとも、中小企業では、定款で株式の譲渡について会社の承認を必要とする旨を定めた「譲渡制限株式」とされていることが多く、その場合、譲渡しようとする株主は会社法136条に基づき、株式取得者は同法137条に基づき、対象会社に譲渡の承認を請求する手続が必要になります。ただし、株式取得者による請求は、法務省令で定める場合を除き、株主名簿上の株主またはその相続人その他の一般承継人と共同して行う必要があります(同条2項)。承認するか否かの決定は、定款に別段の定めがない限り、取締役会設置会社では取締役会、それ以外の株式会社では株主総会の決議によります(同法139条1項)。

個人株主が株式を譲渡した場合、譲渡益は給与所得など他の所得とは区分して税額を計算する申告分離課税の対象となり、非上場株式(一般株式等)の税率は、国税庁タックスアンサーNo.1463のとおり、所得税15%と住民税5%に、平成25年から令和29年までの各年分は復興特別所得税(所得税額の2.1%)が加わり、合計20.315%です。ただし、基準所得金額が3億3,000万円を超える場合には、「極めて高い水準の所得に対する負担の適正化措置」により追加の所得税が生じることがあります。法人株主が譲渡する場合は、譲渡損益は原則として法人の所得の計算上、益金または損金に算入され、他の益金・損金と合わせて法人税等の課税対象となります。

※個別の取引における税務上の取扱いについては、税理士等の専門家にご確認ください。

なぜM&Aで重要か

株式譲渡は、事業譲渡のように契約や許認可を原則として個々に移転し直す必要がなく、対象会社の法人格や取引先との契約関係を原則として維持できるため、比較的シンプルな手続きで実行でき、中小企業のM&A・事業承継において広く用いられる代表的なスキームです。ただし、契約にチェンジ・オブ・コントロール条項がある場合には、支配権の変更について相手方の承諾や通知が必要となったり、解除事由となったりすることがあり、許認可についても根拠法令により届出等が必要となる場合があります。

売り手にとっては経営から円滑に離脱しやすく、買い手にとっては対象会社を法人格ごと取得して事業を継続できる点がメリットです。一方、対象会社の債務は株式譲渡後も対象会社に残るため、買い手は簿外債務や偶発債務を含む対象会社のリスクを、株式取得を通じて経済的に負担することになり、事前のデューデリジェンスによるリスクの精査が重要になります。

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監修者情報
監修者 佐藤信(IRI M&Aコンサルティング株式会社 取締役)
監修

佐藤 信(さとう あきお)

M&A・事業承継の専門家|IRI M&Aコンサルティング株式会社

IRI M&Aコンサルティング株式会社 取締役。M&A・事業承継に関する実務経験をもとに、中小企業の譲渡・譲受、事業承継、企業価値評価などの支援に従事。本サイトでは、専門用語を初めて学ぶ方にも理解しやすい表現を心掛け、実務で活用できる情報の監修を担当しています。

投稿者: IRI M&Aコンサルティング編集部 | 2016年10月6日 | 最終更新日: 2026年10月16日
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