ホワイトナイト(ほわいとないと)👁 閲覧数:230回

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M&A用語解説

ホワイトナイト(ほわいとないと)

ホワイトナイトとは、敵対的買収を仕掛けられた企業に対し、友好的な第三者が競合する買付けなどを行うことで、その買収に対抗する手法、またはその第三者(企業・投資ファンド・個人等)をいいます。買収を仕掛けられた企業側から見ると、自社を助けてくれる存在であることから、中世の騎士道物語になぞらえて「白馬の騎士」とも呼ばれます。なお実務や報道では、競合買付けに限らず、対象企業を友好的な立場から支援する第三者についても、ホワイトナイトと表現されることがあります。

実際にホワイトナイトと評された事例として、2005年のライブドアによるニッポン放送株式の大量取得を発端とする経営権争いにおける、ソフトバンク・インベストメント(SBI、現SBIホールディングス)の動きが挙げられます。ライブドアが時間外取引でニッポン放送株式を取得し、当時ニッポン放送が株式を保有していたフジテレビジョンへの影響力拡大を図ったのに対し、ニッポン放送は2005年3月24日、保有するフジテレビジョン株式のうち353,704株(発行済株式の13.88%)をSBIに貸し出す株式貸借契約を締結しました。これによりSBIは同日付で議決権ベース約14.67%を保有することとなり、フジテレビジョンの筆頭株主となりました。当時のSBI社長・北尾吉孝氏は、会見で「ホワイトナイトになるつもりはない」としたうえで、「結果的にホワイトナイトに見えるかもしれないが、意図しているわけではない」と述べていました。その後、この動きはフジテレビ側のホワイトナイトとして広く紹介されるようになりました。

なお、この経営権争いでは、ニッポン放送がフジテレビジョンを引受先とする新株予約権の発行も計画しましたが、ライブドアが発行差止めの仮処分を申し立て、東京地方裁判所は2005年3月11日に発行差止めの仮処分決定を下しました。その後、ニッポン放送側の異議申立てを受けて東京地裁が仮処分決定を認可し、この認可決定に対するニッポン放送側の保全抗告についても、東京高等裁判所は同年3月23日にこれを棄却し、ニッポン放送敗訴の判断を維持しました。当時は現行の会社法(2006年5月施行)ではなく旧商法が適用された事案ですが、この裁判では、従来の裁判例で形成されてきた「主要目的ルール」を踏まえ、支配権争いの局面における新株予約権発行について重要な判断が示されました。現行の会社法では、募集新株予約権の発行が法令・定款に違反する場合や、著しく不公正な方法により行われる場合には、株主は一定の要件のもとその発行の差止めを請求できるとされています(会社法247条)。裁判所は、株主全体の利益を保護する観点から発行を正当化する特段の事情(グリーンメーラー等の濫用的買収者への対抗等)がある場合を除き、敵対的買収者への対抗として現経営者またはこれを支持する特定の株主の経営支配権を維持・確保することを主要な目的とする新株予約権の発行は、この「著しく不公正な方法」にあたり原則として認められないとの判断を示しました。

※ホワイトナイトの活用を含む買収防衛策の適法性は、会社法・判例や上場規則等を踏まえた個別の検討が必要です。実施にあたっては弁護士等の専門家にご確認ください。

なぜM&Aで重要か

上場企業の経営陣にとって、敵対的買収の提案を受けた際にホワイトナイトを探すことは、買収防衛の選択肢の一つとされています。ただし前述のとおり、防衛策の実施は主要目的ルールなど裁判所による厳格な審査の対象となるため、経営陣の保身のためではなく、企業価値や株主共同の利益の確保・向上に資するものであることを客観的に説明できるかどうかが実務上の分かれ目となります。

経済産業省・法務省は2005年5月27日、「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」を策定しました。その後、経済産業省は2023年8月31日に「企業買収における行動指針」を公表し、買収提案への対応は企業価値・株主共同の利益の確保又は向上に資するかどうかを基準とすべきこと、会社の経営支配権に関わる事項については株主の合理的な意思に依拠すべきことを改めて示しています。ホワイトナイトを含む防衛策の検討にあたっても、こうした指針の考え方が実務上の目安となっています。

この用語のカテゴリー

買収防衛策

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監修者情報
監修者 佐藤信(IRI M&Aコンサルティング株式会社 取締役)
監修

佐藤 信(さとう あきお)

M&A・事業承継の専門家|IRI M&Aコンサルティング株式会社

IRI M&Aコンサルティング株式会社 取締役。M&A・事業承継に関する実務経験をもとに、中小企業の譲渡・譲受、事業承継、企業価値評価などの支援に従事。本サイトでは、専門用語を初めて学ぶ方にも理解しやすい表現を心掛け、実務で活用できる情報の監修を担当しています。

投稿者: IRI M&Aコンサルティング編集部 | 2016年10月6日 | 最終更新日: 2026年10月16日
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