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M&A用語解説
敵対的買収(てきたいてきばいしゅう)
敵対的買収とは、買収者が対象会社の取締役会など経営陣の同意を得ないまま、株式公開買付け(TOB)などの方法により対象会社の株式を取得し、経営権の取得を目指す買収をいいます。「敵対的」という表現は買収者と対象会社の経営陣との関係を指すものであり、株主にとって不利益であることを意味するものではありません。株式を売却するかどうかは、個々の株主が自らの判断で決定します。
上場会社等の株券等について、買付け等の後における株券等所有割合が100分の30(30%)を超えることとなる場合等には、市場内・市場外を問わず、原則として公開買付け(TOB)の方法によらなければならないとされています(金融商品取引法27条の2第1項1号)。経営権の取得を目的とする買収の多くがTOBの形式をとる背景にはこの規制があり、対象会社の経営陣の同意を得ずに行われるTOBは「敵対的TOB」と呼ばれます。
なお、「敵対的買収」という言葉自体は法令上定義された用語ではなく、実務・報道上の呼称です。これに対し、公開買付け(TOB)は、不特定かつ多数の者に対し公告により株券等の買付け等の申込みまたは売付け等の申込みの勧誘を行い、取引所金融商品市場外で株券等の買付け等を行うことと、金融商品取引法上定義されています(金融商品取引法27条の2第6項)。
※実際の買付け等がTOB規制の対象となるか、また具体的な事案における対応については、金融商品取引法の要件が複雑であるため、弁護士等の専門家にご確認ください。
敵対的買収を仕掛けられた対象会社は、公開買付開始公告から一定期間内に、当該公開買付けに関する意見(賛成・反対・中立等)を記載した意見表明報告書を内閣総理大臣に提出することが義務付けられています(金融商品取引法27条の10第1項)。この意見表明は、株主が公開買付けに応募するか否かを判断する際の重要な材料となります。
また、敵対的買収を受けた対象会社の取締役会が買収防衛策の導入・発動を検討する場合、その判断が株主共同の利益に資するものといえるかという観点から適法性が事後的に争われるリスクがあります。M&Aの当事者となりうる企業にとっては、平時からの備えを含め、弁護士等の専門家の助言を踏まえた慎重な対応が求められます。
