企業概要書(きぎょうがいようしょ/Information Memorandum)👁 閲覧数:282回

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M&A用語解説

企業概要書(きぎょうがいようしょ/Information Memorandum)

企業概要書とは、M&Aにおいて、譲り渡し側が、秘密保持契約を締結した後に、譲り受け側に対して提示する、譲り渡し側についての具体的な情報(実名や事業・財務に関する一般的な情報)が記載された資料をいいます。国の中小M&Aガイドラインは企業概要書をこのように説明し、仲介者・FAが譲り渡し側から提供された情報を元に作成することが多いとしています(中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)」20頁(PDF))。インフォメーション・メモランダム(IM:Information Memorandum)やインフォメーション・パッケージ(IP:Information Package)ともいいます(中小M&Aガイドライン20頁)。

中小M&Aガイドラインによれば、マッチングでは通常、仲介者・FAが、まず譲り渡し側を特定できない内容のノンネーム・シート(ティーザー)を、数十社程度にまで絞り込んだリスト(ロングリスト)内の企業に送付して打診し、関心を示した候補先から数社程度をリスト(ショートリスト)化して、これらとの間で秘密保持契約を締結した上で、その後の手続を進めます。仲介者・FAは、譲り渡し側についての企業概要書を譲り受け側の候補先に交付し、その後のマッチング支援等を行います(中小M&Aガイドライン44頁)。譲り渡し側の名称を含む企業概要書等の詳細資料の開示はネームクリアと呼ばれ、ネームクリアは、ノンネーム・シート等の提示により興味を示した候補先に対して、譲り渡し側からの同意を取得し、候補先との秘密保持契約を締結した上で実施される必要があるとされています(中小M&Aガイドライン93頁)。

中小M&Aガイドラインは、仲介者・FAが提供する主な業務の例として、譲り渡し側の事業内容、財務状況、株主・役員構成、組織図、従業員構成、商流、不動産、所持する技術・特許・許認可、今後の事業の展望等について記載した企業概要書の作成・提供を挙げています(中小M&Aガイドライン72頁)。また、企業概要書に記載された情報等を踏まえて暫定的な希望条件等を記載し、デュー・ディリジェンス(DD)に進む意向を表明する書面は、第一次意向表明書と称されることがあります(中小M&Aガイドライン20頁)。

※企業概要書の記載項目や開示の範囲・時期は、案件や支援機関ごとに異なります。

なぜM&Aで重要か

企業概要書は、譲り受け側の候補先が譲り渡し側の具体的な情報を把握し、検討を進めるかどうかを判断する材料となります。中小M&Aガイドラインは、企業概要書は、譲り受け側に対し譲り渡し側の具体的な情報を伝えることで、その後の中小M&Aの手続の円滑な進行に資するものであるとし、中小企業診断士が企業概要書の作成を支援する場合には、譲り渡し側経営者と相談の上、正確な企業概要書の作成に留意する必要があるとしています(中小M&Aガイドライン122頁)。

一方、企業概要書には実名を含む譲り渡し側の具体的な情報が記載されるため、開示先の管理が重要となります。中小M&Aガイドラインは、情報の漏えいがあった場合にはM&Aが頓挫してしまうことがあるとしており(中小M&Aガイドライン39頁)、ネームクリアについて、譲り渡し側の同意は原則として開示先となる候補先ごとに個別に取得することが必要であり、一定の基準の下で仲介者・FAがネームクリア先を選定する場合でも、候補先との秘密保持契約の締結は必須であるとしています(中小M&Aガイドライン93頁)。譲り渡し側は、マッチングを希望する候補先や打診を避けたい先があれば、事前に仲介者・FAに伝えることが望ましいとされています(中小M&Aガイドライン44頁)。

また、中小M&Aガイドラインは、アドバイザリー契約(仲介契約・FA契約)のテール条項の対象について、少なくともネームクリア(譲り受け側に対して企業概要書を送付し、譲り渡し側の名称を開示すること)が行われ、譲り渡し側に対して紹介された譲り受け側に限定すべきであるとしています(中小M&Aガイドライン105頁)。

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監修者情報
監修者 佐藤信(IRI M&Aコンサルティング株式会社 取締役)
監修

佐藤 信(さとう あきお)

M&A・事業承継の専門家|IRI M&Aコンサルティング株式会社

IRI M&Aコンサルティング株式会社 取締役。M&A・事業承継に関する実務経験をもとに、中小企業の譲渡・譲受、事業承継、企業価値評価などの支援に従事。本サイトでは、専門用語を初めて学ぶ方にも理解しやすい表現を心掛け、実務で活用できる情報の監修を担当しています。

投稿者: IRI M&Aコンサルティング編集部 | 2026年10月1日 | 最終更新日: 2026年10月20日
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