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M&A用語解説
成功報酬(せいこうほうしゅう)
成功報酬とは、M&Aの実行支援を依頼した仲介者・ファイナンシャルアドバイザー(FA)に対し、M&Aが成立した場合に支払う手数料をいいます。中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)」63頁(PDF)は、成功報酬を「主にクロージング時等の案件完了時に発生する手数料」と整理しています。取引の成立を前提とする点で、主に契約締結時に発生する着手金や、月ごとに定期的に定額で発生する月額報酬(リテイナーフィー)、基本合意締結時等の案件完了前の一定の時点に発生する中間金とは異なります。
中小M&Aガイドラインによれば、仲介者・FAの成功報酬は、主に「譲渡額(譲受額)」「移動総資産額」「純資産額」のいずれかを基準となる価額とし、一定の方式に則った計算を施すものが多いとされています(中小M&Aガイドライン63頁・64頁)。これらを組み合わせたり修正したりする方式や、定額とする方式もあります(中小M&Aガイドライン63頁)。算定手法としてはレーマン方式が採られることが多く(中小M&Aガイドライン64頁)、譲り渡し側が小規模で基準となる価額が小さい場合に備えて、最低手数料を設けている仲介者・FAも多いとされています(中小M&Aガイドライン65頁)。
着手金・月額報酬・中間金を設けず成功報酬のみを設ける仲介者・FAも相当数あるとされる一方、着手金・月額報酬・中間金を設けている場合に、それらが成功報酬に含まれる(成功報酬の内金となる)かどうかは、あらかじめ確認が必要です(中小M&Aガイドライン63頁)。成功報酬の発生タイミングも、アドバイザリー契約(仲介契約・FA契約)の締結前に説明を受けるべき手数料の算定基準の一つとされています(中小M&Aガイドライン88頁)。
※成功報酬の算定基準(報酬率・報酬基準額・最低手数料)や発生時点は仲介者・FAごとに異なるため、契約締結前に交付される書面等で個別に確認する必要があります。
中小M&Aガイドラインは、仲介者・FAに対し、仲介契約・FA契約の締結前に、成功報酬において採用される報酬率、報酬基準額(譲渡額/純資産/移動総資産等)、最低手数料の額、報酬の発生タイミング(着手金/月額報酬/中間金/成功報酬)等の手数料の算定基準について、書面を交付して説明することを求めています(中小M&Aガイドライン88頁)。また、同水準の報酬率を採用する仲介者・FAであっても、最低手数料の額や報酬基準額が異なれば支払う報酬額に差異が生じるため、報酬率だけでなく、成立する譲渡額に応じて最終的に支払う報酬の絶対額を確認することが重要であるとしています(中小M&Aガイドライン69頁)。
譲り渡し側にとっては、M&Aを実施するかどうかの判断に、譲渡額そのものよりも、譲渡額から手数料を控除した受取額がより直接的に影響します(中小M&Aガイドライン70頁)。中小企業庁「中小M&A市場の改革に向けた方向性について」(2026年3月17日)24頁(PDF)でも、M&A支援機関登録制度に登録された機関を通じた集計結果の初期的な分析として、案件規模が小さくなると最低手数料が適用されるため手数料率(報酬金額÷譲渡価額)は高くなる傾向にあるとされています。
契約終了後も成功報酬等の手数料が発生し得る条項にも注意が必要です。仲介契約・FA契約の終了後一定期間内に、M&A専門業者が関与・接触した譲り受け側とM&Aを行った場合に手数料を取得する条項(テール条項)について、中小M&Aガイドラインは、テール期間は最長でも2年〜3年以内を目安とすることが望ましく、対象は少なくともネームクリアが行われ譲り渡し側に紹介された譲り受け側に限定すべきであるとしています(中小M&Aガイドライン105頁)。
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