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M&A用語解説

着手金(ちゃくしゅきん/Upfront Fee)

着手金とは、M&Aの実行支援を依頼する仲介会社・ファイナンシャルアドバイザー(FA)に対し、主に仲介契約・FA契約(アドバイザリー契約)の締結時に支払う手数料をいう。M&Aの成立時に発生する成功報酬と異なり、取引の成立を条件とせず主に契約締結時に発生する点に特徴がある。支払済みの着手金が返金されるかどうかは、契約条件によって異なる。

着手金が、M&A成立時に成功報酬に含まれる(成功報酬の内金となる)ものとされるか、成功報酬とは別に支払うものとされるかは、締結する契約の内容による。また、着手金を請求する仲介者・FAと請求しない仲介者・FAに分かれており、着手金・月額報酬・中間金を設けず成功報酬のみとする仲介者・FAも相当数あるとされる(中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)」63頁)。

着手金は主に契約締結時に発生する手数料である点で、月ごとに定期的に定額で発生する月額報酬(リテイナーフィー)とは区別される。なお、実務上の報酬名称や定義は仲介会社・FAによって異なる場合があるため、名称だけで判断せず、個別の契約書における報酬の発生時期・支払条件等を確認する必要がある。

※着手金の要否・金額・返金の可否等は仲介会社・FAごとに異なるため、必ずアドバイザリー契約書や契約締結前に交付される説明書面等の契約条件を個別に確認する必要がある。

なぜM&Aで重要か

中小企業庁「中小M&Aガイドライン」(第3版)は、仲介者・FAの手数料の種類として着手金・月額報酬・中間金・成功報酬を挙げたうえで、仲介者・FAは契約締結前に、報酬の発生タイミング(着手金/月額報酬/中間金/成功報酬)等の手数料の算定基準について書面を交付して説明しなければならないとしている(同ガイドライン63頁・88頁)。着手金はM&Aが成立しなかった場合にも負担が生じ得るため、依頼者(譲り渡し側・譲り受け側)にとっては、着手金の有無・金額・成功報酬への充当の有無・返金条件を含めた報酬体系全体を、契約締結前に十分に理解しておくことが重要である。

着手金を含むM&A関連費用の会計処理は、対象となる会計主体(個別財務諸表・連結財務諸表の別)や取引のスキームによって取扱いが異なり得る。例えば、企業結合に関する会計基準(企業会計基準第21号)第26項は、取得とされる企業結合において外部のアドバイザー等に支払った特定の報酬・手数料等(取得関連費用)について、発生した事業年度の費用として処理する旨を定めている。M&Aを検討する際は、着手金を含む手数料体系が損益・資金繰りに与える影響とともに、具体的な会計処理について税理士・公認会計士等の専門家に個別に確認しておく必要がある。

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この用語のカテゴリー

M&A実務金融・財務・会計用語

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監修者情報
監修者 佐藤信(IRI M&Aコンサルティング株式会社 取締役)
監修

佐藤 信(さとう あきお)

M&A・事業承継の専門家|IRI M&Aコンサルティング株式会社

IRI M&Aコンサルティング株式会社 取締役。M&A・事業承継に関する実務経験をもとに、中小企業の譲渡・譲受、事業承継、企業価値評価などの支援に従事。本サイトでは、専門用語を初めて学ぶ方にも理解しやすい表現を心掛け、実務で活用できる情報の監修を担当しています。

投稿者: IRI M&Aコンサルティング編集部 | 2016年12月14日 | 最終更新日: 2026年10月21日
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