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M&A用語解説
5%ルール(5ぱーせんとるーる)
5%ルールとは、上場会社等の株券等について、株券等保有割合(保有者と共同保有者の保有株券等を合算した割合)が5%を超えた保有者(大量保有者)に対し、大量保有報告書の提出を義務付ける制度をいいます。金融商品取引法第27条の23に基づく制度で、金融商品取引法第2章の3「株券等の大量保有の状況に関する開示」に定められています。
大量保有者は、大量保有者となった日から5日(日曜日その他政令で定める休日を除く)以内に、大量保有報告書を提出しなければなりません。報告書には、保有割合のほか、取得資金や保有の目的などを記載します。その後、保有株券等の総数の増加または減少を伴って保有割合が1%以上増加または減少した場合や、その他の重要な事項に変更があった場合には、原則として同じく5日以内に変更報告書の提出が必要です(金融商品取引法第27条の25)。
保有割合は、本人の保有分だけでなく、共同保有者の保有分も合算して計算します。共同保有者には、株券等の取得・譲渡や議決権の行使を共同して行うことを合意している者のほか、株式の所有関係などで政令の定める特別の関係にある者が含まれます。また、金融商品取引業者や銀行などの機関投資家については、重要提案行為等を行わないことなどを条件に、報告の頻度や期限を緩和する特例報告の制度があります(金融商品取引法第27条の26)。
株券等を大量に取得する動きは株価に大きな影響を与えることがあるため、大量保有の状況を一般投資家に広く開示し、市場の公正性・透明性を確保することが、この制度の目的です。
※保有割合の計算方法、報告義務の要件・提出期限の詳細は、対象となる有価証券の種類や個別の事情により異なる場合があるため、弁護士等の専門家にご確認ください。
M&Aの実務では、上場会社を対象とする取引において、買収者が5%ルールの報告義務を負うタイミングを踏まえてスケジュールを組む必要があります。
特にTOB(株式公開買付け)や敵対的買収を検討する際は、事前の株式取得によって保有割合が5%を超えると大量保有報告書の提出義務が生じ、報告書に記載される保有の目的や取得資金を通じて、対象会社や市場に取得の動きが察知される可能性があります。そのため、取得スケジュールの設計において重要な考慮要素となります。
また、買収者と共同して行動する関係者の保有分も合算して判定されるため、複数の主体が段階的に取得する場合も、保有割合の管理が欠かせません。
