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M&A用語解説
表明保証(ひょうめいほしょう)
表明保証とは、M&A取引において、契約の一方当事者が他方当事者に対し、一定の時点(一般的には最終契約締結時とクロージング時)において、契約に関する一定の事項が真実かつ正確であることを表明し、その内容を保証する契約条項をいいます。特に、売り手(譲渡側)が買い手(譲受側)に対し、対象企業の財務・法務・事業内容などについて表明保証を行う場面が中心となります(中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)」(PDF)22頁)。株式譲渡契約(SPA)など最終契約書に規定されるのが一般的です。
デューデリジェンス(DD)を尽くしても、買い手がすべてのリスクを事前に把握することは困難です。表明保証条項は、DDで発見できなかったリスク(簿外債務、訴訟、法令違反など)が後日判明した場合に、そのリスクを売り手・買い手のどちらが負担するかをあらかじめ契約上で取り決めておくことで、契約当事者間の潜在的なリスクの分担を図る機能を持つとされています(中小M&Aガイドライン22頁)。
表明保証の内容に違反(虚偽)があったことが判明した場合に備え、最終契約には損害賠償や契約の解除といった補償等に関する規定が設けられるのが通常とされています(中小M&Aガイドライン22頁)。買い手は、こうした規定に基づき、売り手に対して補償を求めることになります。ただし、補償の範囲は、取引の内容や契約の文言によって異なります。次の裁判例があります。
表明保証条項・補償条項の作り方に注意が必要です。この判決の内容は、裁判所ウェブサイト掲載の判決文(東京地方裁判所 平成16年(ワ)第8241号、平成18年1月17日判決)(PDF)によります。
※個別の取引・契約については弁護士・税理士等の専門家にご確認ください。
M&A取引では、DDを尽くしても把握しきれないリスクが残るため、表明保証の内容をどう設計するかが売り手・買い手の双方にとって重要になります。期間や責任上限が設定されていない場合や適用場面が一義的に明確でない規定がある場合には、売り手が過大な表明保証責任を負担することとなり、争いが生じるリスクがあるとされています(中小M&Aガイドライン52〜53頁)。適切な範囲の表明保証を設定するには、DDの実施結果を踏まえて問題が顕在化する可能性や影響の大きさを検討し、譲渡対価に織り込まれているかなどを勘案しながら、双方が認識を擦り合わせることが重要とされています(中小M&Aガイドライン53頁)。
また、表明保証違反による損害への対応として、表明保証保険(M&A保険)の活用も考えられ、購入する場合は一般的にDDレポート等を保険会社に提出して引受審査を経る必要があるとされています(中小M&Aガイドライン23頁、53頁)。個別の契約設計・損害範囲の考え方については、専門家(弁護士等)への相談が重要です。
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