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訪問介護事業のM&A|売却相場・許認可の引継ぎ方・失敗しないポイント

佐藤 信

監修:佐藤 信アイアールアイM&Aコンサルティング株式会社 取締役
最終更新日:2026年4月13日

📋 この記事でわかること

  • 訪問介護M&Aで最重要となる「許認可」の維持と、株式譲渡が基本になる理由
  • 人員要件(管理者・サービス提供責任者)が指定取消リスクに直結する仕組み
  • M&Aでよくある失敗(人材退職・名義貸し・不正請求)
  • デューデリジェンスで確認すべき4つのポイント
  • 価格評価の考え方と、買収を成功させるポイント
📝 この記事のまとめ 📝
  • 訪問介護M&Aは株式譲渡が基本。事業譲渡は許認可が原則失効し空白期間が生じる
  • サービス提供責任者・管理者などの人員要件が欠けると指定取消のリスクがある
  • 評価はEBITDA倍率よりも「安定収益×人材維持力」で決まる
  • 成功のカギはキーマンの引き留めと給与・待遇の維持
  • 訪問介護M&Aの本質は「株式譲渡で人材を維持できるかがすべて」

訪問介護事業は、介護ビジネスの中でも最も参入しやすく、M&A市場でも流通が多い領域です。
一方で、「人材依存」「許認可維持」「コンプライアンス」の3点が極めて重要であり、理解不足のまま取引を進めると大きなリスクを伴います。

本記事では、訪問介護のM&Aにおける基本構造から実務上のポイントまでを体系的に解説します。

訪問介護のM&A完全ガイド

訪問介護とは(ビジネスの本質)

訪問介護とは、ヘルパーが利用者の自宅を訪問し、身体介護(入浴・排泄など)や生活援助(掃除・買物など)を提供するサービスです。

制度上は介護保険法第8条第2項に定義されており、介護保険報酬によって収益が発生します。

このビジネスの本質はシンプルで、

👉「人(ヘルパー)」×「稼働時間」=売上

となる典型的な労働集約型モデルです。

訪問介護M&Aの最大ポイントは「許認可」

訪問介護のM&A完全ガイド

訪問介護事業を行うには、都道府県から指定居宅サービス事業者の指定を受ける必要があります。

根拠は介護保険法第41条です。

この指定がなければ、介護報酬は一切請求できません。

つまり、M&Aにおいては「この指定が維持できるか」が最重要論点となります。

M&Aスキームと許認可の関係

訪問介護M&Aでは、スキーム選択が極めて重要です。

■株式譲渡

👉許認可は維持される

  • 法人が変わらないため指定は継続
  • 実務上は最も一般的

■事業譲渡

👉 許認可は原則失効

  • 新法人で再指定が必要
  • 数ヶ月の空白期間が発生

■結論

👉 訪問介護は株式譲渡が基本

人員要件(最大リスク)

訪問介護は許認可だけでなく「人員基準」が非常に重要です。

代表例:

  • 管理者
  • サービス提供責任者(サ責)

これらは法令・基準省令により必須とされており、欠けると指定取消のリスクがあります。

根拠

M&Aでよくある失敗

① 人材が退職する

👉 買収後にサ責が辞めると即運営困難

② 名義貸し

👉 実態と異なる人員配置は重大違反

③ 架空請求・不正請求

👉 過去の不正が後から発覚するケース

👉 結論:「人」と「コンプラ」が最大リスク

デューデリジェンスのポイント

訪問介護M&Aでは、以下の確認が必須です。

① 人員の実在性

  • 雇用契約書
  • 出勤実態
  • 常勤要件

② 売上の健全性

  • 利用者数
  • 稼働率
  • 介護報酬請求内容

③ 行政リスク

  • 指導履歴
  • 監査履歴
  • 返還請求の有無

④ 許認可の状態

  • 指定番号
  • 更新期限

デューデリジェンスとは、企業の財務・法務リスクを調査する工程です。
→ デューデリジェンスの流れを見る

価格評価の考え方

訪問介護は設備資産がほぼないため、評価は以下で決まります。

訪問介護のM&A完全ガイド

  • 利用者数
  • 稼働率
  • スタッフ数

👉 EBITDA倍率よりも
👉 「安定収益 × 人材維持力」

成功する買収のポイント

① キーマンの引き留め

  • サ責・管理者の継続が最優先

② 給与・待遇の維持

👉 ヘルパーは流動性が高い

③ 小規模案件の積み上げ

👉 スケール戦略が有効

まとめ

訪問介護M&Aの本質は非常に明確です。

  • 👉 許認可は法人に紐づく
  • 👉 人材がすべて
  • 👉 コンプライアンスが生命線

したがって結論は

👉 株式譲渡で人材を維持できるかがすべて

訪問介護は参入しやすい一方で、運営力が問われるビジネスです。

M&Aにおいては「買った後に運営できるか」という視点で判断することが成功の鍵となります。

よくある質問

結論:株式譲渡が基本となる理由、人員要件のリスク、価格評価の考え方、成功のポイントなど、特に気になる4つの疑問にお答えします。

Q

訪問介護のM&Aではなぜ株式譲渡が基本なのですか?

A株式譲渡なら法人が変わらないため指定居宅サービス事業者の指定が継続されます。事業譲渡の場合は許認可が原則失効し、新法人での再指定までに数ヶ月の空白期間が発生するためです。
Q

訪問介護M&Aの最大のリスクは何ですか?

A人員要件です。管理者やサービス提供責任者(サ責)は法令上必須で、欠けると指定取消のリスクがあります。買収後にサ責が退職すると即座に運営が困難になります。
Q

訪問介護の価格評価はどのように決まりますか?

A設備資産がほぼないため、利用者数・稼働率・スタッフ数が評価の中心です。EBITDA倍率よりも「安定収益×人材維持力」で決まります。
Q

M&Aを成功させるポイントは何ですか?

Aサービス提供責任者・管理者などキーマンの引き留めと、給与・待遇の維持が最優先です。ヘルパーは流動性が高いため、人材を維持できるかがすべてとなります。

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佐藤 信

👤 監修者

佐藤 信(さとう あきお)

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2026.04.13 更新

By IRI M&Aコンサルティング編集部 | 2026年4月13日