秘密保持契約(ひみつほじけいやく/秘密保持契約書・NDA)👁 閲覧数:1,176回

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M&A用語解説

秘密保持契約(ひみつほじけいやく/秘密保持契約書・NDA)

秘密保持契約とは、秘密保持を確約する趣旨で締結する契約をいい、「NDA(Non-Disclosure Agreement)」や「CA(Confidential Agreement)」ともいう。M&Aでは、譲り受け側がノンネーム・シート(ティーザー)を参照して譲り渡し側に関心を抱いた場合に、より詳細な情報を入手するために譲り渡し側との間で締結するケースや、譲り渡し側や譲り受け側が仲介者・FAとの間で締結するケース(仲介契約・FA契約の中で秘密保持条項として含められるケースが多い)がある(中小M&Aガイドライン20頁)。

譲り渡し側の名称を含む企業概要書等の詳細資料を候補先に開示するネームクリアは、ノンネーム・シート等の提示により興味を示した候補先に対して、譲り渡し側からの同意を取得し、候補先との秘密保持契約を締結した上で、実施される必要がある(中小M&Aガイドライン93頁)。譲り渡し側が早期のマッチングを希望する場合等に、一定の基準の下で仲介者・FAがネームクリア先を選定する場合であっても、秘密保持契約の締結は必須である(中小M&Aガイドライン93頁)。

中小M&Aガイドラインは、譲り渡し側と譲り受け側が直接締結する場合の秘密保持契約書サンプルを掲載している。サンプルでは、(i)M&A取引の検討又は交渉に関連して相手方から開示を受けた情報、(ii)契約の締結の事実並びに契約の存在及び内容、(iii)取引に係る交渉の経緯及び内容に関する事実を「秘密情報」とし、これらを相手方の事前の書面による承諾なく第三者に開示せず、契約の目的以外の目的で使用しないものとしている。ただし、(i)のうち、開示を受けた時点で既に公知の情報、受領者が既に正当に保有していた情報など5類型は、秘密情報に該当しないとされる(中小M&Aガイドライン参考資料7の9頁)。

開示の例外として、サンプルは、役員・従業員及び弁護士、公認会計士、税理士、司法書士、フィナンシャル・アドバイザーその他のアドバイザーに対し、取引のために合理的に必要とされる範囲内で開示する場合(開示を受ける者が少なくとも同様の秘密保持義務を法令又は契約に基づき負う場合に限り、その違反については開示した当事者が責任を負う)、法令等に基づき裁判所、政府、規制当局等から開示を要求又は要請される場合(相手方への通知を要する)、経営者等の個人保証について金融機関等に相談する目的で開示する場合を定める(中小M&Aガイドライン参考資料7の9〜10頁)。また、サンプルは、相手方から返還請求があれば秘密情報(写しを含む)を速やかに返還すること、秘密保持の義務は別段の定めがない限り有効期間満了後3年間存続すること、有効期間は締結日から2年間とし、満了までに何れの当事者からも解約の申し出がなければ更に1年間延長し、以後も同様とすること、義務違反による損害(合理的な範囲の弁護士費用を含む)を賠償することを定める(中小M&Aガイドライン参考資料7の10頁)。ガイドラインは、これらのサンプルはあくまでも例であり、具体的な契約書の作成に際しては弁護士等の専門家に相談することが望ましいとしている(中小M&Aガイドライン参考資料7の1頁)。

なお、民法は、贈与・売買・交換・消費貸借・使用貸借・賃貸借・雇用・請負・委任・寄託・組合・終身定期金・和解の13種類の契約を定めている(民法第3編第2章第2節〜第14節)。独立して締結される秘密保持契約は、これらのいずれにも該当しない、当事者間の合意に基づく契約であり、一般に、非典型契約(無名契約)に分類される。

※個別の取引・契約内容については弁護士等の専門家にご確認ください。

なぜM&Aで重要か

M&Aの検討では、譲り渡し側の名称を含む企業概要書などの詳細資料が候補先に開示される。秘密保持契約は、その開示の前提となる契約であり、中小M&Aガイドラインは、ネームクリアに際して候補先との秘密保持契約の締結を必須としている(中小M&Aガイドライン93頁)。

一方、ガイドラインは、資金繰り等の関係でクロージング(決済)を急ぐ必要がある場合に、基本合意書に基づく基本合意を締結せず、最低限の秘密保持契約の締結のみに留めて最終契約の締結に直接進むケースもあるとしている(中小M&Aガイドライン47頁)。

秘密保持契約を締結しても情報の漏えいが防止されるわけではないため、実務上は、社内の情報管理も併せて行うことが考えられる。

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監修者情報
監修者 佐藤信(IRI M&Aコンサルティング株式会社 取締役)
監修

佐藤 信(さとう あきお)

M&A・事業承継の専門家|IRI M&Aコンサルティング株式会社

IRI M&Aコンサルティング株式会社 取締役。M&A・事業承継に関する実務経験をもとに、中小企業の譲渡・譲受、事業承継、企業価値評価などの支援に従事。本サイトでは、専門用語を初めて学ぶ方にも理解しやすい表現を心掛け、実務で活用できる情報の監修を担当しています。

投稿者: IRI M&Aコンサルティング編集部 | 2016年9月16日 | 最終更新日: 2026年10月20日
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