事業承継(じぎょうしょうけい)👁 閲覧数:1,071回

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M&A用語解説

事業承継(じぎょうしょうけい)

事業承継とは、企業の熱い想いや技術を次の世代へつなぐことをいう(中小企業庁「事業承継を知る」)。事業承継ガイドライン(第3版)は、事業承継とは文字通り「事業」そのものを「承継」する取組であり、事業承継後に後継者が安定した経営を行うためには、現経営者が培ってきたあらゆる経営資源を承継する必要があるとしている(事業承継ガイドライン本文27頁(PDF上29頁))。

事業承継ガイドラインは、事業承継を、現経営者の子をはじめとした親族に承継させる「親族内承継」、親族以外の役員・従業員に承継させる「従業員承継」、株式譲渡や事業譲渡等により社外の第三者に引き継がせる「社外への引継ぎ(M&A)」の3つの類型に区分している(事業承継ガイドライン本文25〜26頁(PDF上27〜28頁))。

後継者に承継すべき経営資源は、「人(経営)」「資産」「知的資産」の3要素に大別される(事業承継ガイドライン本文27頁(PDF上29頁))。人(経営)の承継とは後継者への経営権の承継を指し、資産の承継とは、事業を行うために必要な資産(設備や不動産などの事業用資産、債権、債務であり、株式会社であれば会社所有の事業用資産を包含する自社株式)の承継を指す(事業承継ガイドライン本文28頁(PDF上30頁))。知的資産とは、従来の貸借対照表上に記載されている資産以外の無形の資産であり、企業における競争力の源泉である、人材、技術、技能、知的財産(特許・ブランドなど)、組織力、経営理念、顧客とのネットワークなど、財務諸表には表れてこない目に見えにくい経営資源の総称とされる(事業承継ガイドライン本文29頁(PDF上31頁))。

事業承継を後押しする公的な枠組みとして、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(経営承継円滑化法)がある。経営承継円滑化法は、事業承継税制(法人版・個人版)の前提となる認定、事業承継資金等を確保するための金融支援の前提となる認定、遺留分に関する民法の特例などを措置しており、税制支援と金融支援は都道府県知事の認定、遺留分に関する民法の特例は中小企業庁の確認を前提とする。事業承継税制は、後継者が非上場会社の株式等(法人の場合)・事業用資産(個人事業者の場合)を先代経営者等から贈与・相続により取得した場合において、経営承継円滑化法における都道府県知事認定を受けたときに、贈与税・相続税の納税が猶予又は免除される制度である(中小企業庁「経営承継円滑化法による支援」)。

※事業承継税制の適用要件や猶予される税額などは個々の状況により異なるため、利用にあたっては税理士等の専門家にご確認ください。

なぜM&Aで重要か

帝国データバンクの調査によると、2025年の全国の後継者不在率(後継者が「いない」または「未定」の企業の割合)は50.1%で、前年から2.0ポイント低下し、7年連続で前年の水準を下回った(帝国データバンク「全国『後継者不在率』動向調査(2025年)」)。帝国データバンクの調査によれば、2025年(速報値)の事業承継では、「内部昇格」が36.1%となり、これまで最も多かった「同族承継」(32.3%)を速報値段階で上回り、買収や出向を中心にした「M&Aほか」は20.6%であった(帝国データバンク「全国『後継者不在率』動向調査(2025年)」)。

事業承継ガイドラインは、近年は親族の中から後継者候補を見つけることが困難な企業も増加しており、会社や事業の社外への引継ぎ(M&A)が事業承継の有力な選択肢の一つとして認識されてきているとしたうえで、親族内・従業員承継に向けて後継者の選定を行うだけでなく、状況によってはM&Aによる外部の第三者への事業承継の可能性も視野に入れて検討を進めるべきとしている(事業承継ガイドライン本文28頁(PDF上30頁))。

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監修者情報
監修者 佐藤信(IRI M&Aコンサルティング株式会社 取締役)
監修

佐藤 信(さとう あきお)

M&A・事業承継の専門家|IRI M&Aコンサルティング株式会社

IRI M&Aコンサルティング株式会社 取締役。M&A・事業承継に関する実務経験をもとに、中小企業の譲渡・譲受、事業承継、企業価値評価などの支援に従事。本サイトでは、専門用語を初めて学ぶ方にも理解しやすい表現を心掛け、実務で活用できる情報の監修を担当しています。

投稿者: IRI M&Aコンサルティング編集部 | 2016年10月21日 | 最終更新日: 2026年10月20日
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