持株会社(もちかぶがいしゃ/Holding Company)👁 閲覧数:271回

M&Aコンサル用語集TOP / マ行 / 持株会社閲覧数:271回

M&A用語解説

持株会社(もちかぶがいしゃ/Holding Company)

持株会社(ホールディングカンパニー)とは、他の会社(子会社)の株式を保有し、その議決権行使等を通じて当該会社の事業活動を支配する会社をいう。なお、独占禁止法第9条第4項に基づく報告制度では、子会社株式の取得価額の合計額が自社の総資産額の50%を超える会社を「持株会社」と定義している(同項第1号)。

持株会社は、その事業実態に応じて大きく2種類に区分される。ひとつは「純粋持株会社」であり、自らは事業を営まず、専ら子会社株式の保有・管理を通じて企業グループ全体の経営を統括することを目的とする会社である。もうひとつは「事業持株会社」であり、自ら製造業・サービス業等の事業を営みながら、あわせて他の会社の株式を保有し、その事業活動を支配する会社をいう。

純粋持株会社は、戦後の財閥解体を経て、独占禁止法により長らく設立が全面的に禁止されていた。その後、経済のグローバル化や企業の機動的な組織再編の必要性の高まりを背景に、平成9年(1997年)の独占禁止法改正により、事業支配力が過度に集中することとなる場合を除き、純粋持株会社の設立が解禁された。

解禁後も、株式所有による企業グループの形成が無制限に認められているわけではない。独占禁止法第9条は、他の国内の会社の株式を所有することにより事業支配力が過度に集中することとなる会社の設立・転化を禁止しており、この規制は持株会社に限らず、要件に該当する会社一般を対象とする。公正取引委員会の「事業支配力が過度に集中することとなる会社の考え方」では、その具体的な類型として、①総合的事業規模が相当数の事業分野にわたって著しく大きい会社グループ、②大規模な金融会社と金融業以外の大規模な会社を有する会社グループ、③相互に関連性のある相当数の主要な事業分野においてそれぞれ有力な会社を有する会社グループが示されている。また、独占禁止法第9条第4項は、他の会社の子会社に該当しない会社について、当該会社およびその子会社の総資産額の合計が、持株会社、金融会社、その他の会社という会社の種類ごとに定められた基準額を超える場合に、毎事業年度、公正取引委員会へ事業に関する報告書を提出することを義務付けており、この報告義務は持株会社に限らず適用され得る。

※独占禁止法第9条の規制対象となる具体的な資産規模・事業分野数等の基準は、公正取引委員会が定めるガイドラインに詳細が示されており、実務上の該当性判断にあたっては最新のガイドラインを確認する必要がある。

なぜM&Aで重要か

M&Aの実務においては、複数の子会社を統括する持株会社体制への移行が、グループ経営の効率化や機動的な組織再編の手段として広く活用されている。会社法上、既存会社を完全子会社化して持株会社を設立する手法としては、株式移転(会社法第772条以下、単独株式移転により完全親会社を新設する方法)や株式交換(既存の会社を完全親会社とする方法)が制度化されており、対価として株式を用いることにより、多額の現金を用意せずに企業グループを再編できる点が特徴である。

複数の企業を買収・統合するM&Aにおいては、被買収企業をそれぞれ独立した子会社として持株会社の傘下に置くことで、各社の事業運営の独立性を保ちながら、経営管理・資金調達・人事等のグループ機能を持株会社に集約し、PMI(買収後統合)を円滑に進めやすくなるという利点がある。また、事業承継の場面でも、後継者が持株会社を通じて複数の事業会社を統括する体制を構築することで、意思決定の一元化や将来的な株式承継・M&Aの実行を機動的に行いやすくする効果が期待できる。

この用語のカテゴリー

企業経営

関連用語
監修者情報
監修者 佐藤信(IRI M&Aコンサルティング株式会社 取締役)
監修

佐藤 信(さとう あきお)

M&A・事業承継の専門家|IRI M&Aコンサルティング株式会社

IRI M&Aコンサルティング株式会社 取締役。M&A・事業承継に関する実務経験をもとに、中小企業の譲渡・譲受、事業承継、企業価値評価などの支援に従事。本サイトでは、専門用語を初めて学ぶ方にも理解しやすい表現を心掛け、実務で活用できる情報の監修を担当しています。

投稿者: IRI M&Aコンサルティング編集部 | 2016年10月21日 | 最終更新日: 2026年10月16日
NEXT STEP

自社の企業価値を知りたい方へ

M&Aでは、決算書に表れない強みや将来性も譲渡価格に影響します。まずは無料簡易価格査定をご利用ください。