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M&A用語解説
レーマン方式(れーまんほうしき/Lehman Formula)
レーマン方式とは、M&Aの仲介者・ファイナンシャルアドバイザー(FA)が受け取る成功報酬の算定手法の一つで、「基準となる価額」を金額の階層に区分し、各階層に該当する部分にその階層の料率(乗じる割合)をそれぞれ乗じた金額を合算して報酬を算定する方式です。中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)」64頁(PDF)は、レーマン方式が特にM&A専門業者において広く用いられているとしています。
中小M&Aガイドライン65頁は、一例として、基準となる価額のうち5億円以下の部分に5%、5億円超10億円以下の部分に4%、10億円超50億円以下の部分に3%、50億円超100億円以下の部分に2%、100億円超の部分に1%を乗じる料率表を示しています。ただし、これはあくまで一例であり、各階層の価額・割合は仲介者・FAによって異なります。
この一例の料率表を用いると、基準となる価額が10億円の場合の報酬は、5億円×5%+5億円×4%=4,500万円(税抜)となります(中小M&Aガイドライン67頁の事例2に基づく。同事例は移動総資産額10億円を基準とするケースです)。10億円全体に一つの料率を乗じるのではなく、階層ごとに異なる料率を乗じて合算する点に特徴があります。
基準となる価額には、主に譲渡額(譲受額)、移動総資産額(主に譲渡額に負債額を加えたもの)、純資産額の3つの考え方があり、どれを採用するかによって報酬額が比較的大きく変動し得ます。例えば、移動総資産額を基準とする場合、同じ譲渡額であっても負債(特に借入金)の金額が大きいほど基準となる価額が大きくなり、手数料も高くなります(中小M&Aガイドライン63〜64頁)。また、基準となる価額が小さい案件に備えて最低手数料を設けている仲介者・FAは多く、そもそもレーマン方式を採用せず、一律の割合を乗じる方式や定額とする方式もあります(中小M&Aガイドライン64〜65頁)。
※料率・基準となる価額・最低手数料は仲介者・FAごとに異なるため、個別の契約条件を確認する必要があります。
中小M&Aガイドライン64頁・69頁は、レーマン方式の階層ごとの報酬率だけでなく、基準となる価額の考え方と金額の目安、最低手数料を含めて、成立する譲渡額に応じて最終的に支払う報酬の絶対額を確認することが重要であるとしています。実際に、中小M&Aガイドライン68頁の事例4では、譲渡額5,000万円の株式譲渡でレーマン方式による計算額が5,000万円×5%=250万円(税抜)にとどまる一方、最低手数料が1,000万円(税抜)と定められているため、最低手数料が適用されて手数料総額は1,100万円(税込)となります。小規模な案件ほど、料率表よりも最低手数料の水準が支払額を左右しやすくなります。
中小企業庁「中小M&A市場の改革に向けた方向性について」(2026年3月17日)26頁(PDF)は、M&A支援機関登録制度に報告されたデータの初期的な分析として、移動総資産を基準とするレーマン方式を採用すると届け出ている支援機関の案件は、譲渡価格が同程度で他の方式を採用する支援機関の案件と比べて手数料が高い傾向にあるとし、各算定方式の合理性を整理する必要性を論点として示しています。複数の仲介者・FAを比較する際は、料率表の見た目の近さではなく、自社の想定譲渡額・負債額等を当てはめた報酬額で比較することが重要です。
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