親会社(おやがいしゃ)👁 閲覧数:262回

M&Aコンサル用語集TOP / ア行 / 親会社閲覧数:262回

M&A用語解説

親会社(おやがいしゃ)

親会社とは、一般的な意味としては2社以上の会社が支配従属関係にあるとき、他の会社(子会社)を支配している会社のことをいいます。

会社法上は、会社が総株主の議決権の過半数を有する株式会社その他その会社が経営を支配している法人として法務省令で定めるものを「子会社」とし(会社法2条3号)、株式会社を子会社とする会社その他その株式会社の経営を支配している法人として法務省令で定めるものを「親会社」と定義しています(同条4号)。「経営を支配している場合」に該当するかどうかは、議決権の保有割合だけでなく、役員等の構成、重要な財務・事業方針を支配する契約関係、資金調達その他の関係等も踏まえた「財務及び事業の方針の決定を支配している場合」という実質基準で判断されます(会社法施行規則3条)。親会社は株式会社に限られず、会社以外の法人が該当する場合もあります。なお、会社法にはこれとは別に「親会社等」という概念があり、親会社のほか、株式会社の経営を支配している法人以外の者(個人など)も対象となります(会社法2条4号の2)。

子会社の発行済株式の全部(100%)を親会社が保有している場合、その子会社を「完全子会社」、親会社を「完全親会社」といいます。

※ある会社が会社法上の「親会社」に該当するかどうかは議決権保有割合だけで機械的に判定できない場合があるため、個別の資本関係・取引関係を踏まえた確認が必要です。

なぜM&Aで重要か

M&Aで株式譲渡や株式交換などにより対象会社の経営権を取得すると、買い手側が対象会社の「親会社」に該当するかどうかが問題になります。前述のとおりこの判定は、議決権の保有割合だけでなく、会社法施行規則3条が定める要件も踏まえて行われます。同条3項では、自己の計算による議決権保有割合が40%以上50%以下であっても、緊密な関係にある者等と合わせた議決権が過半数となる場合や、自社の役員・使用人等が取締役会の過半数を占める場合、重要な財務・事業方針を支配する契約がある場合、資金調達額の過半について自社や緊密な関係にある者が融資(債務保証・担保提供を含む)を行っている場合などには、親会社に該当するとされています。さらに、自己の議決権が40%未満(保有していない場合を含む)でも、緊密な関係にある者等と合わせて過半数となり、かつ役員構成・契約・融資等の要件を満たす場合も同様です。ただし、これらの要件を満たす場合でも、財務上または事業上の関係からみて、対象会社の財務または事業の方針の決定を支配していないことが明らかな場合は除かれます(同条3項柱書)。議決権割合が過半数に届かない出資であっても親会社と判断されることがある点に留意が必要です。買収後のガバナンス設計や情報開示の要否を検討する際は、この基準を踏まえて資本・契約関係を確認しておくことが実務上重要です。

また、対象会社を完全子会社化する(発行済株式の100%を取得する)ことを目指す場合は、株式譲渡による任意の買い増しに加えて、株式交換やスクイーズアウトといった手法が用いられます。これらを実施する際には、手法に応じた株式買取請求権、価格決定手続、差止請求など、少数株主を保護するための会社法上の手続にも留意する必要があります。

この用語のカテゴリー

企業経営

関連用語
監修者情報
監修者 佐藤信(IRI M&Aコンサルティング株式会社 取締役)
監修

佐藤 信(さとう あきお)

M&A・事業承継の専門家|IRI M&Aコンサルティング株式会社

IRI M&Aコンサルティング株式会社 取締役。M&A・事業承継に関する実務経験をもとに、中小企業の譲渡・譲受、事業承継、企業価値評価などの支援に従事。本サイトでは、専門用語を初めて学ぶ方にも理解しやすい表現を心掛け、実務で活用できる情報の監修を担当しています。

投稿者: IRI M&Aコンサルティング編集部 | 2016年12月14日 | 最終更新日: 2026年10月16日
NEXT STEP

自社の企業価値を知りたい方へ

M&Aでは、決算書に表れない強みや将来性も譲渡価格に影響します。まずは無料簡易価格査定をご利用ください。