表明保証(ひょうめいほしょう)

表明保証とは、M&A取引において、売り手が買い手に対して買収対象の企業の事業や株式など一定の事項について、真実性や正確性を表明し、その内容を保証することです。

実務上の注意点
表明保証違反が発覚した場合、株式譲渡契約(SPA)上の補償条項に基づき、買い手は売り手に対して損害賠償(補償)を請求できます。ただし実務上争いになりやすいのは「損害の範囲」です。

関連する裁判例
実際の裁判例でも、損害の認定範囲は事案によって大きく異なっています。例えば東京地裁平成18年1月17日判決では簿価純資産額の減少分が損害として認定された一方、東京地裁平成23年4月15日判決では、未開示債務等が問題となった事案でDCF法による評価減は「損害とは認められない」と判断されました。また東京地裁平成24年1月27日判決では、消防法違反の是正工事費用が損害として認定されています。このように、表明保証条項や補償条項の文言の作り方次第で、実際に認められる損害の範囲が大きく変わり得る点に注意が必要です。

投稿者: IRI M&Aコンサルティング編集部 | 2019年8月29日 | 最終更新日: 2026年8月17日