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第12話 利益が出ていない価値

人が辞めない店には、理由がある。—その理由こそが、事業承継で守るべきものだ。

利益が出ていない会社に、価値はないのか。
数字だけでは見えない「何か」が、この店にはあった。

平日の朝なのに行列が続くパン屋ブーランジェリーオリーブを現地視察する佐藤。数字だけでは見えない何かがこの店にはあると感じる。オーナーから毎日食べたくなる普通のパンを大事にしてきた、地元の人に支えられて24年やってこれた、それが誇りだと聞く。だからこそ手放すのが寂しいんですねと寄り添う佐藤。


行列は、数字に出ない。
でも、それこそがこの店の本当の価値だった。

オーナーはいつもお客さん第一って言ってくれます、ここで働くのが本当に楽しいと従業員の声。人が辞めない店は、価値がある店だ。数字の裏には、いつも人の想いがある。


人が辞めない店には、理由がある。
その理由こそが、事業承継で守るべきものだ。

常連客の主婦からこの食パンは本当においしい、うちの子どもはここのパンしか食べないよ。近所のカフェ店主からオリーブさんのパンがあるからうちの店も成り立ってます。地域のイベント担当者から必ず協力してくれる、なくてはならない存在です。地域からの信頼・知名度は他のパン屋には簡単に真似できない価値。


地域からの信頼は、バランスシートに載らない。
でも、それが最も簡単には真似できない強みだ。

主な課題は原材料の高騰・人件費の上昇・設備投資の遅れ・販促活動の不足・オーナーが現場に集中しすぎて経営に時間を割けていない。これは改善できる問題、つまりやり方次第で利益は生み出せる。ポテンシャルの強みは地域での高い知名度・信頼、固定客の多さ・リピート率の高さ、商品の品質・こだわり、従業員の定着率が高い、立地の良さ、ブランドの認知度。課題を解決し強みを伸ばせば必ず再成長できる。


利益が出ていない理由が、経営にあるなら直せる。
赤字の会社でも、M&Aで再成長できる可能性がある。

利益が出ていないからといって価値がないわけじゃない、この店は地域にとってのなくてはならない存在だと気づく佐藤。このパン屋には、未来がある。利益では測れない価値を、どう伝え、どう繋ぐのか——それが、M&Aの本当の仕事だ。


利益では測れない価値を、
どう伝え、どう繋ぐのか。
-それが、M&A仲介の本当の仕事だ。

次回 第13話「ぶつかる二人」
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この話の登場人物

佐藤恒一

佐藤 恒一
主人公・27歳
元エンジニア
→ M&A仲介営業

黒木隆司

黒木 隆司
上司・45歳
部署マネージャー

全員のプロフィール・人物関係は
登場人物ページ →


By | 2026年5月26日