403 Views

デイサービスのM&A完全ガイド|許認可・価格・リスク

佐藤 信

監修:佐藤 信アイアールアイM&Aコンサルティング株式会社 取締役
最終更新日:2026年4月14日

📋 この記事でわかること

  • デイサービスM&Aで許認可(指定)維持のために株式譲渡が基本になる理由
  • 稼働率・不動産・人員配置というデイサービス特有のリスク構造
  • 価格評価の考え方と、譲渡価格の目安(小規模〜優良デイの違い)
  • デューデリジェンスで確認すべき稼働率・建物適法性・人員体制のポイント
  • よくある失敗と、M&Aを成功させるためのポイント
📝 この記事のまとめ 📝
  • デイサービスも訪問介護同様、株式譲渡が基本(事業譲渡は再指定に数ヶ月かかる)
  • 稼働率が売上を左右し、空きが出ると即減収につながる
  • 建物の用途地域・消防設備が適法でないと再指定不可のリスクがある
  • 価格目安は小規模デイで売上の0.3〜1倍、優良デイ(稼働率80%以上)で利益の3〜5倍
  • 成功のカギは「稼働率が維持できるか」を中心に判断すること

デイサービス(通所介護)は、介護ビジネスの中でも比較的参入しやすく、地域密着型で安定した需要があることから、M&A市場でも一定数の案件が流通しています。
一方で、「施設要件」「人員基準」「稼働率」に強く依存するビジネスであり、訪問介護とは異なるリスク構造を持ちます。
本記事では、デイサービスM&Aの全体像を、実務目線で整理します。

デイサービスとは(ビジネスの本質)

デイサービスとは、利用者が日中施設に通い、食事・入浴・機能訓練などのサービスを受ける事業です。
制度上は介護保険法第8条第7項に定義されており、介護保険報酬によって収益が発生します。

デイサービスM&A完全ガイド

訪問介護との違いは明確で、
👉 「施設 × 稼働率 × 人員」=売上
という“箱ビジネス”である点が特徴です。

許認可の基本構造

デイサービスを運営するには、介護保険事業者の指定が必要です。

根拠

この指定が維持できるかが、M&Aの成否を左右します。

M&Aスキームと許認可

株式譲渡

👉 指定はそのまま維持

  • 最も一般的な手法
  • 利用者・売上が途切れない

事業譲渡

👉 原則再指定が必要

  • 新規申請に数ヶ月かかる
  • その間は売上が停止する

結論

👉 デイサービスも株式譲渡が基本

デイサービス特有のリスク

訪問介護と比較すると、デイサービスには以下の特徴があります。

① 稼働率依存

👉 売上は利用者数で決まる

  • 定員に対する稼働率が重要
  • 空きがあると即減収になる

② 不動産リスク

👉 建物が適法でないと致命的

確認すべきポイント

③ 人員配置

  • 管理者
  • 生活相談員
  • 機能訓練指導員

👉 欠けると運営不可

デイサービスM&A完全ガイド

価格評価の考え方

デイサービスは訪問介護と異なり、“施設型ビジネス”として評価されます。

主な評価指標

  • 利用者数
  • 稼働率
  • 定員
  • 人員体制

譲渡価格の目安イメージ

小規模デイ(よくあるパターン)

  • 年商:2,000〜4,000万円
  • 利益:不安定

👉 売上の0.3〜1倍

優良デイ(稼働率が高いケース)

  • 稼働率80%以上
  • 利益安定

👉 利益の3〜5倍

デューデリジェンスのポイント

① 稼働率の確認

  • 定員に対する利用者数
  • 曜日別の偏り

👉 週の穴があると要注意

② 建物の適法性

  • 用途変更済みか
  • 消防検査済みか

👉 ここがNGだと再指定不可

③ 人員体制

  • 常勤要件を満たしているか
  • 有資格者が揃っているか

④ 行政リスク

  • 指導履歴
  • 不正請求の有無

根拠

デイサービス施設でレクリエーションを楽しむ利用者と介護スタッフ

デューデリジェンスとは、企業の財務・法務リスクを調査する工程です。
→ デューデリジェンスの流れを見る

よくある失敗

① 稼働率を見誤る

👉 表面上の売上だけで判断する

② 建物違反を見落とす

👉 許認可が取れなくなる

③ スタッフ流出

👉 運営が崩壊する

成功するM&Aのポイント

① 稼働率改善余地を見る

👉 伸びしろが重要

② 送迎エリアの分析

👉 商圏で勝負が決まる

③ スタッフの定着

👉 現場力がすべて

まとめ

デイサービスM&A完全ガイド

デイサービスM&Aの本質はシンプルです。

  • 👉 稼働率がすべて
  • 👉 建物が土台
  • 👉 人材が運営力

訪問介護が「人のビジネス」だとすると、
デイサービスは「箱+人のビジネス」です。

したがって結論は、
👉 「稼働率が維持できるか」を中心に判断すべきです。

デイサービスは改善余地のある案件も多く、適切に選べば非常に魅力的な投資対象となります。
一方で、基礎構造を見誤ると収益は一気に崩れるため、慎重な見極めが不可欠です。

よくある質問

結論:株式譲渡が基本となる理由、譲渡価格の目安、特有のリスク、デューデリジェンスの確認点など、特に気になる4つの疑問にお答えします。

Q

デイサービスのM&Aではなぜ株式譲渡が基本なのですか?

A株式譲渡なら介護保険事業者の指定がそのまま維持され、利用者・売上が途切れないためです。事業譲渡の場合は原則再指定が必要となり、新規申請に数ヶ月かかる間は売上が停止します。
Q

デイサービスの譲渡価格の目安はどのくらいですか?

A年商2,000〜4,000万円で利益が不安定な小規模デイは売上の0.3〜1倍、稼働率80%以上で利益が安定している優良デイは利益の3〜5倍が目安です。
Q

デイサービスM&Aで特に注意すべきリスクは何ですか?

A稼働率依存(空きが出ると即減収)、建物の適法性(用途地域・消防設備が適法でないと再指定不可)、人員配置(管理者・生活相談員・機能訓練指導員が欠けると運営不可)の3点です。
Q

デューデリジェンスでは何を確認すべきですか?

A定員に対する稼働率と曜日別の偏り、建物の用途変更・消防検査の状況、常勤要件や有資格者などの人員体制、行政の指導履歴や不正請求の有無を確認します。

関連記事

 

長年守り続けてきた事業の灯を、次の世代へつなぐ方法を一緒に考えてみませんか。

アイアールアイM&Aコンサルティング株式会社では、M&A仲介、事業承継、会社売却に関するご相談を無料で承っています。

会社名・所在地・従業員数・創業年・年間手数料収入をご準備いただければ簡易査定が可能です。

◎相談無料・秘密厳守

事業承継・売却のことなら、まずはお気軽に
ご相談ください。

M&Aについて相談する ›
佐藤 信

👤 監修者

佐藤 信(さとう あきお)

M&A・事業承継の専門家
売却・買収を総合サポート
幅広い業種のご相談に対応

2026.04.14 更新

By IRI M&Aコンサルティング編集部 | 2026年4月14日