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日本一簡単にわかるM&Aの価格査定【株式譲渡編】

佐藤 信

監修:佐藤 信アイアールアイM&Aコンサルティング株式会社 取締役
最終更新日:2026年7月7日

日本一簡単にわかるM&Aの価格査定

📋 この記事でわかること

  • 中小企業のM&A株価を決める基本の計算式
  • 純資産とは何か・どう計算するか
  • 営業権(のれん)とは何か・いくらになるか
  • 利益倍率を上下させる評価要因
  • EBITDAを使った評価方法
  • 不動産を持つ会社の評価ポイント
  • 最終的な価格を決める「需要と供給」の考え方

📝 この記事のまとめ 📝
  • 中小企業のM&A価格は「株価=純資産+営業権」の式が基本です。
  • 営業権(のれん)は年間利益の3〜5年分が目安ですが、会社の状況によって大きく変わります。
  • 「利益が出ている」より重要なのは「将来も利益を生み続けられる会社かどうか」です。

会社を売却したい経営者の方が一番気になること——それは「結局、うちの会社はいくらになるの?」ではないでしょうか。

M&Aの価格は不動産のように「相場」が決まっているわけではありません。しかし、ほとんどの中小企業ではある程度共通した計算方法があります。今回は、その考え方を誰でも理解できるように解説します。

まず結論:株価の計算式

結論:中小企業のM&A株価は「純資産営業権のれん)」で計算します。営業権の目安は年間利益の3〜5年分です。この式さえ覚えていただければ、M&A価格の基本的な考え方は理解できます。

M&Aの価格査定の基本式

株価純資産営業権(のれん)
※ 営業権の目安は年間利益の3〜5年分

STEP1|純資産とは?

結論:純資産とは「会社の財産から借金を引いた金額」です。「会社を今日解散したら株主に残るお金」とイメージすると分かりやすくなります。

現金・売掛金・在庫・不動産などの総資産から、借入金などの負債を差し引いて算出します。

純資産とは?

純資産の計算例

資産項目 金額
現金 3,000万円
売掛金 1,000万円
在庫 500万円
不動産 6,000万円
資産合計 1億500万円
借入金(負債) ▲5,500万円
1億500万円 - 5,500万円 = 純資産 5,000万円

STEP2|営業権(のれん)とは?

結論:営業権とは、決算書に載らない「目に見えない価値」を金額化したものです。年間利益の3〜5年分が目安となりますが、会社の状況によって大きく異なります。

会社には、長年のお客様・ブランド・社員・技術・ノウハウ・安定した利益など、決算書には記載されない価値があります。買い手は「この利益を今後も稼げる」と考えてその分を上乗せします。これが営業権(のれん)です。

営業権(のれん)とは?将来の利益を前払いでかうイメージ

営業権の計算の目安

年間営業利益 倍率 営業権の目安
2,000万円 3年分 6,000万円
2,000万円 4年分 8,000万円
2,000万円 5年分 1億円

💡 ポイント:同じ営業利益でも、倍率が「3年分」か「5年分」かで営業権の金額は大きく変わります。倍率を決める要因は次のセクションで解説します。

営業権の倍率を左右する要因

結論:倍率は会社によって大きく異なります。利益の安定性・経営者依存度・成長性などが主な評価軸となります。

評価軸 高く評価される場合 低く評価される場合
利益の安定性 毎年安定して黒字 売上・利益が減少傾向
経営者依存度 社長不在でも運営できる 社長しか営業できない
人材・組織 後継者・幹部人材がいる 従業員の離職リスクが高い
市場・成長性 成長市場に属している 縮小市場・競合激化
顧客基盤 リピーターが多い 大口顧客1社依存
財務状況 借金が少ない 訴訟・法的リスクがある

✅ 高く評価される会社(5倍以上も)

  • 利益が毎年安定している
  • 社長がいなくても回る
  • 後継者・幹部人材がいる
  • 成長市場に属している
  • リピーターが多い
  • 借金が少ない

⚠️ 低く評価される会社(2倍程度も)

  • 売上が毎年減少している
  • 社長しか営業できない
  • 従業員の離職リスクが高い
  • 訴訟・法的リスクがある
  • 大口顧客1社依存

具体例で見るM&A価格の算出

結論:純資産と営業権を合算することでM&A価格の目安が算出できます。以下の具体例で計算の流れを確認しましょう。

具体例で見るM&A価格のイメージ

【前提条件】ある会社の決算

純資産 4,000万円
年間営業利益 2,000万円
評価倍率 4年分

① 営業権:2,000万円 × 4年 = 8,000万円

② 株価:純資産 4,000万円 + 営業権 8,000万円 = 1億2,000万円

EBITDAによる評価方法

結論:実際のM&Aでは営業利益ではなくEBITDA(イービットディーエー)を使うケースも多くあります。設備投資の多い業種では特にEBITDA倍率法が使われます。

指標 計算式 主な特徴
営業利益 売上-販管費-原価 一般的な収益力の把握
EBITDA 営業利益+減価償却費 設備投資の多い業種でも比較しやすい

💡 ポイント:EBITDAは減価償却費を戻すため、設備投資の多い会社でも他社と比較しやすくなります。近年のM&Aでは「EBITDA × ○倍」という評価方法が非常に多く使われています。

不動産を保有する会社の評価

結論:不動産は帳簿価格ではなく「時価(実勢価格)」で評価するのが一般的です。含み益があればプラス、価値が下落していればマイナスになります。

項目 金額 備考
帳簿上の不動産価格 3,000万円 決算書に記載されている金額
時価(実勢価格) 7,000万円 実際の売却見込み額
含み益(企業価値に加算) +4,000万円 差額が評価に反映される

💡 ポイント:不動産の価値が下落している場合は、その差額がマイナスになります。帳簿上の金額だけでなく、実態純資産を正確に把握しておくことが重要です。

最後は「買いたい人」が決める

結論:計算式はあくまで価格の「目安」です。最終的な価格は買い手の意欲や競争状況によって変わる「市場価格」です。

ここまでの計算式はあくまで価格の目安です。最終的な価格は、買い手が「この会社ならぜひ欲しい」と思えば高くなりますし、魅力を感じなければ安くなることもあります。M&Aの価格は計算だけではなく、需要と供給によって決まる市場価格という側面も持っています。

まとめ

M&A価格は難しく考える必要はありません。まずはこの式を覚えましょう。

株価純資産営業権(のれん)
※ 営業権の目安は年間利益の3〜5年分

実際の査定で加味される追加要素

要素 内容
実態純資産の修正 不動産・在庫・含み損益などを時価に修正
EBITDAによる評価 キャッシュ創出力ベースで評価
業界の成長性 市場の拡大・縮小トレンドを加味
依存度リスク 取引先・人材への集中リスクを評価
シナジー効果 買い手が得られる事業上のメリット
競争入札 複数の買い手候補がいる場合は価格上昇も

💡 重要ポイント:「利益が出ている会社ほど高く売れる」と思われがちですが、それ以上に重要なのは「将来も利益を生み続けられる会社かどうか」です。

よくある質問

Q 中小企業のM&A株価はどう計算するのか?
A
株価=純資産+営業権(のれん)で計算します。純資産は総資産から負債を引いた金額、営業権は年間利益の3〜5年分が目安です。

Q 営業権(のれん)とは何か?
A
長年の顧客基盤・ブランド・人材・技術・ノウハウなど、決算書に載らない目に見えない価値のことです。買い手が「この利益を今後も稼げる」と判断した際に上乗せされる金額です。

Q 利益の何倍で評価されるのか?
A
一般的には3〜5倍が目安ですが、会社の状況によります。利益安定・社長不在でも運営可能・成長市場などの場合は5倍以上、売上減少・社長依存・大口顧客1社依存などのリスクがある場合は2倍程度になることもあります。

Q EBITDAとは何か?M&Aでどう使われるのか?
A
EBITDAは本業での現金創出力を示す指標で「営業利益+減価償却費」で計算します。設備投資の多い会社でも比較しやすく、近年のM&Aでは「EBITDA×○倍」が広く用いられています。

Q 不動産を保有する会社はどう評価されるのか?
A
帳簿価格ではなく時価(実勢価格)で評価されます。帳簿3,000万円の土地が時価7,000万円なら差額4,000万円が企業価値に加算されます。価値が下落していればその分マイナスになります。

Q 利益が出ていない会社は売れないのか?
A
必ずしもそうではありません。純資産(不動産の含み益など)や将来性・シナジー効果によって評価される場合があります。まずは専門家に相談し、実態純資産を含めた査定を受けることが重要です。

💬 M&Aアドバイザーから一言

「うちの会社はいくらですか?」というご質問に対し、決算書だけで正確な価格をお伝えすることはできません。実際には、不動産の含み益・借入金・役員依存度・将来性・業界動向などを総合的に分析して企業価値を算定します。

そのため、無料査定を受けることが、自社の本当の価値を知る第一歩です。「まだ売るかどうか決めていない」という段階でも問題ありません。企業価値を知ることで、今後の経営や事業承継の選択肢が大きく広がります。

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佐藤 信

👤 監修者

佐藤 信(さとう あきお)

M&A・事業承継の専門家
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2026.07.07 更新

By | 2026年6月29日