のれん代とは、企業の合併や買収・営業の譲り受けの時に、買収価格と時価で評価した相手企業の純資産額との差額であり、この場合に資産に計上されるものをいいます。企業の資産の中の「のれん」のことをいいます。
資産として計上する理由は、企業のブランド力や技術力、顧客リストや顧客との関係、人材など決算書には計上されない企業の力量を示すものです。また、元々は、貸借対照表では評価できていなかったものであり、買収した際のシナジー効果などの価値を表しています。換金性のない無形固定資産。
実例:東芝によるウェスチングハウス社(WH)買収
東芝は2006年に米原子力大手ウェスチングハウス社を買収しましたが、その後の原子力事業を取り巻く環境の悪化により、2016年12月期に約2,600億円ののれん減損損失を計上しました。買収時に見積もった将来の収益力(のれんの裏付け)が、その後の経営環境の変化によって毀損した典型例として知られています。
実務上の注意点
のれんは、買収価格が対象企業の実態的価値に対して高くなるほど大きくなるため、デューデリジェンスでの事業計画・収益力の精査が重要です。また、日本の会計基準では原則として20年以内の規則的な償却が必要となる一方、IFRS(国際会計基準)や米国基準では償却を行わず毎期減損テストを実施する点で処理が異なり、採用する会計基準によって財務諸表への影響の出方が変わる点にも留意が必要です。