M&Aコンサル用語集TOP / ハ行 / 買収ファンド閲覧数:194回
M&A用語解説
買収ファンド(ばいしゅうふぁんど)
投資家から資金を集めて企業を買収し、企業価値の向上を図り、事業会社等への売却(トレードセール)や株式上場(IPO)等を通じて投資資金を回収することを目的とするファンドを、買収ファンドといいます。ファンドの組成には、投資事業有限責任組合契約に関する法律(平成10年法律第90号)に基づく投資事業有限責任組合(LPS)が用いられることがあります。
LPSでは、組合の業務は無限責任組合員(GP)が決定し、執行します(投資事業有限責任組合契約に関する法律7条1項)。有限責任組合員(LP)も出資を行う組合員です。無限責任組合員が数人あるときは各無限責任組合員が組合の債務について連帯して責任を負い、有限責任組合員はその出資の価額を限度として組合の債務を弁済する責任を負います。ただし、有限責任組合員に組合の業務を執行する権限を有する組合員であると誤認させるような行為があった場合には、その誤認に基づき組合と取引をした者に対し無限責任組合員と同一の責任を負います(投資事業有限責任組合契約に関する法律9条1項〜3項)。組合契約は、各当事者が出資を行い、共同で、株式会社の発行する株式や合同会社等の持分の取得及び保有を含む、法律に定める事業の全部又は一部を営むことを約するものとされ、組合契約書には組合の存続期間が記載されます(投資事業有限責任組合契約に関する法律3条1項2号・3項7号)。ファンドは、定められた存続期間の中で対象企業への経営関与や成長支援を行ったうえで、投資回収(エグジット)を図るのが一般的な流れです。
※ファンドの組成形態や契約内容は個別の案件により異なるため、詳細は弁護士・税理士等の専門家にご確認ください。
後継者不在等を背景とする中小企業の事業承継では、事業会社(ストラテジック・バイヤー)だけでなく、買収ファンドが譲受側となることもあります。買収ファンドは、資金回収を目的とする財務的な買い手(フィナンシャル・バイヤー)であると同時に、対象企業の経営体制強化や成長投資の実行を通じて、事業の持続的な発展を支援する役割を担うこともあります。
譲渡企業側としては、買収ファンドとの交渉にあたり、買収ファンドにはLPSであれば組合契約で定められた存続期間や、投資回収までの時間軸があり、将来的に株式が事業会社や別のファンドなど第三者へ再売却される可能性があることなど、通常の事業会社とは異なる特性を踏まえて検討することが重要です。
