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M&A用語解説
エグジット(えぐじっと/Exit)
エグジット(EXIT)とは、スタートアップなどに出資した投資家や創業者が、保有する株式を売却するなどして現金化し、投資資金を回収する手段やその機会をいう。「出口」を意味する英語の exit に由来し、「イグジット」と表記されることもある。経済産業省の「スタートアップM&Aガイダンス」(2026年5月・PDF)は、M&Aが「EXIT」の一つと呼ばれることがあるのは、主に投資家にとってのEXIT(投資資金の現金化の手段)という意味であるとしている(スタートアップM&Aガイダンス5頁)。
スタートアップM&Aガイダンス38頁は、ベンチャーキャピタル(VC)のビジネスモデルの説明の中で、スタートアップがリターンを生む手段としてIPO(株式公開)、M&A、セカンダリーを挙げ、いずれのEXIT方法でもVCにとっては回収機会となるとしている。VCは投資先のEXITによって株式を現金化し、回収した資金をまず出資者(LP)に分配したうえで、その成果に応じて成功報酬を受け取る仕組みとされる。
スタートアップM&Aガイダンス21頁の比較表では、M&Aとセカンダリーは、既存株主にとってIPOと比べて適時かつ早期に現金化できる場合があるとされる。一方、IPOでは任意ロックアップ(引受証券会社との契約に基づき株主が自主的に同意する売却制限)などにより既存株主の売却タイミングに制約が生じる場合があり、M&Aでは買い手との親和性やPMI(買収後の統合)が成否を左右し、セカンダリーでは売却先がなかなか見つからない、あるいは探索に一定の時間を要する場合があるとされる。
また、スタートアップM&Aガイダンス41頁は、投資契約に上場努力義務を定めると、起業家が上場を最優先の選択肢と誤解しやすくなるため、上場に限定せず、M&A等の選択肢も含めた「EXIT努力義務」とするといった対応が考えられるとしている。
※エグジットの手段や時期は、企業の状況、市場環境、投資家との契約内容によって異なります。個別の取引については、弁護士・税理士等の専門家にご確認ください。
M&Aは、投資家にとってはエグジットの手段の一つである。一方、スタートアップM&Aガイダンス5頁は、スタートアップの経営者にとっては、買い手企業に「グループイン」することで事業の拡大・成長につながる場合や、買い手企業で経営に従事して新たなキャリアにつなげられる場合があり、スタートアップと経営者の双方にとって有効な成長手段の一つになりうるとしている。さらに、IPOだけでなく、M&Aやセカンダリーも含めた複数の手段の特徴を理解し、自社の戦略や事業環境を踏まえて比較したうえで、最適な手段を選ぶことが重要としている(スタートアップM&Aガイダンス21頁)。
このため、M&Aによるエグジットを検討する場合は、投資家にとっての現金化という側面だけでなく、売却後の事業の成長や経営者の関わり方、投資契約の条項なども踏まえ、弁護士・税理士等の専門家と相談しながら買い手候補との条件を整理することが重要である。
