ロングリスト(ろんぐりすと/Long List)👁 閲覧数:234回

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M&A用語解説

ロングリスト(ろんぐりすと/Long List)

ロングリストとは、M&Aにおいて、譲り渡し側がノンネーム・シート(ティーザー)の送付先を選定するにあたり、譲り受け側となり得る候補先についての基礎情報をまとめた一覧表をいう。中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)」(令和6年8月・PDF)の用語集は、ロングリストを基本的にはこのように説明し、候補先は数十社程度となることが多いとしている(中小M&Aガイドライン19頁)。後述のショートリストへ絞り込む前の、ノンネーム・シートの送付先候補を並べた一覧といえる。

中小M&Aガイドラインの用語集によれば、ノンネーム・シート(ティーザー)とは、譲り渡し側が特定されないよう企業概要を簡単に要約した企業情報をいい(中小M&Aガイドライン19頁)、ショートリストとは、ノンネーム・シートを送付して関心を示した譲り受け側の候補先の中から、具体的に検討可能な候補先(数社程度となることが多い。)を絞り込んだ一覧表をいう(中小M&Aガイドライン20頁)。基本的な流れは、ロングリストの中からノンネーム・シートの送付先を選び、関心を示した候補先の中からショートリストを作るというものである(中小M&Aガイドライン44頁)。ただし、譲り渡し側に関する情報の拡散を可能な限り防止する観点から、仲介者・FAがロングリストの内容を譲り渡し側と協議しながら精査し、候補先を数社程度に絞り込んでショートリストとした後、その候補先にのみノンネーム・シートを送付するケースもあるとされる(中小M&Aガイドライン20頁)。

また、企業概要書は、譲り渡し側が秘密保持契約を締結した後に、譲り受け側へ提示する、実名や事業・財務に関する一般的な情報が記載された資料と説明されている(中小M&Aガイドライン20頁)。譲り渡し側の名称を含む企業概要書等の詳細資料の開示はネームクリアと呼ばれ、ノンネーム・シート等の提示で興味を示した候補先に対し、譲り渡し側の同意を得て、その候補先と秘密保持契約を締結した上で実施される必要がある(中小M&Aガイドライン93頁)。ロングリストに基づく最初の打診の段階では、譲り渡し側の名称はまだ開示されない。

※候補先の範囲、数、選定基準およびリストの作成方法は、案件や支援機関によって異なる。ガイドラインは、ロングリストとショートリストの説明で「基本的には」と断っている。個別の取引については、専門家にご確認ください。

なぜM&Aで重要か

ロングリストは、譲り渡し側が譲り受け側となり得る相手先を洗い出し、どこにノンネーム・シートを送るかを検討するための土台となる。ガイドラインは、仲介者・FAが譲り渡し側の希望を取り入れた候補先リスト(ロングリスト)を作成し、打診の順番や方法を決めることが多いとしており(中小M&Aガイドライン93頁)、譲り渡し側は、マッチングを希望する候補先や打診を避けたい先があれば、事前に仲介者・FAに伝えることが望ましいとされる(中小M&Aガイドライン44頁)。

最初の送付先の選び方は、その後に関心を示す候補先の顔ぶれや、秘密保持契約の締結・企業概要書の開示へ進む相手の範囲に影響する。また、ガイドラインは、契約終了後も手数料が生じ得るテール条項の対象を、ロングリストやノンネーム・シートの提示にとどまる相手には広げず、少なくともネームクリアが行われ譲り渡し側に紹介された譲り受け側に限定すべきだとしている(中小M&Aガイドライン105頁)。リストに載っただけの段階と、ネームクリア後の段階が区別されている点は、実務上の注意点となる。

この用語のカテゴリー

M&A実務

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監修者情報
監修者 佐藤信(IRI M&Aコンサルティング株式会社 取締役)
監修

佐藤 信(さとう あきお)

M&A・事業承継の専門家|IRI M&Aコンサルティング株式会社

IRI M&Aコンサルティング株式会社 取締役。M&A・事業承継に関する実務経験をもとに、中小企業の譲渡・譲受、事業承継、企業価値評価などの支援に従事。本サイトでは、専門用語を初めて学ぶ方にも理解しやすい表現を心掛け、実務で活用できる情報の監修を担当しています。

投稿者: IRI M&Aコンサルティング編集部 | 2026年10月6日 | 最終更新日: 2026年10月16日
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