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M&A用語解説

ローントゥバリュー(ろーんとぅーばりゅー/Loan to Value)

ローントゥバリュー(Loan to Value、LTVと略されることも多い)とは、担保となる資産の評価額に対する借入額の割合をいい、不動産担保融資をはじめとするアセットファイナンスにおいて広く用いられる指標です。「借入残高(融資額)÷担保物件の評価額」で算出され、担保余力がどの程度あるかを示します。LTVが低いほど担保による保全の余地が大きく安全性が高いとされる一方、LTVが高いほど担保割れ(担保評価額が借入残高を下回る状態)のリスクが高い水準にあるとされます。

金融機関の実務では、LTVは不動産担保融資の与信判断・与信後のモニタリングにおいて最も基本的な指標の一つとして日常的に用いられており、借入者のキャッシュフローによる返済能力を示すDSCR(デット・サービス・カバレッジ・レシオ)等の指標と組み合わせて、担保面・キャッシュフロー面の双方から与信の健全性が検証されます。

なぜM&Aで重要か

不動産・店舗・工場等の資産を多く保有する対象会社のM&Aや、対象会社の資産価値を重視して組成される買収ファイナンスにおいては、LTVが借入可能額や調達可能な負債水準を検討する際の重要な指標の一つとなることがあります。一方、LBO(レバレッジド・バイアウト)型の買収ファイナンスでは、対象会社の将来キャッシュフローが主な返済原資となるため、借入可能額の検討では、有利子負債をEBITDAで除したレバレッジ比率、対象会社のEBITDA、将来キャッシュフロー、元利金返済能力等が重視されます。対象会社が不動産その他の資産を多く保有し、それらを担保として活用する場合には、これらの指標と併せてLTVが考慮されることがあります。

また、財務デューデリジェンスにおいては、対象会社が既存の借入れにおいてLTVに関する財務制限条項(コベナンツ)を負っている場合、当該コベナンツへの抵触の有無や、M&A取引の実行がチェンジオブコントロール条項による期限の利益喪失事由に該当しないかを確認することが重要です。既存借入れのLTV水準が高い対象会社では、担保余力が乏しく借換えや追加担保の差入れが必要となる可能性がある点にも留意が必要です。

この用語のカテゴリー

M&A実務

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監修者情報
監修者 佐藤信(IRI M&Aコンサルティング株式会社 取締役)
監修

佐藤 信(さとう あきお)

M&A・事業承継の専門家|IRI M&Aコンサルティング株式会社

IRI M&Aコンサルティング株式会社 取締役。M&A・事業承継に関する実務経験をもとに、中小企業の譲渡・譲受、事業承継、企業価値評価などの支援に従事。本サイトでは、専門用語を初めて学ぶ方にも理解しやすい表現を心掛け、実務で活用できる情報の監修を担当しています。

投稿者: IRI M&Aコンサルティング編集部 | 2016年10月6日 | 最終更新日: 2026年10月16日
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