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決算書のチェック項目

佐藤 信

監修:佐藤 信アイアールアイM&Aコンサルティング株式会社 取締役
最終更新日:2018年2月6日

📋 この記事でわかること

  • M&A事業承継の前に決算書チェックが必要な理由
  • 貸借対照表で確認すべき項目(現金・売上債権・棚卸資産・土地建物など)
  • 損益計算書で確認すべき項目(売上の計上方法・原価・費用)
  • 適正な決算処理が価格交渉や引継ぎ後の経営に与える影響
📝 この記事のまとめ 📝
  • 事業承継やM&Aの前には、貸借対照表・損益計算書が実態を正しく反映しているかの確認が不可欠です。
  • 貸借対照表では帳簿価格と実態の一致を、損益計算書では売上の計上方法や費用の適切性をチェックします。
  • 日頃から適正な決算処理を意識しておくことで、譲渡価格交渉や引継ぎ後の経営判断がスムーズになります。

貸借対照表

現金・預金 帳簿残高と実際残高が一致しているか。
(対応)両残高の確認。
売上債権 連絡先の不明な債権はないか。回収の難しい債権がそのままになっていないか。
(対応)回収不能額の把握。
棚卸資産 滞留している不良在庫が通常在庫の評価となっていないか。
(対応)不良在庫の確認と時価の把握。
貸付金 回収の難しい貸付金・未収入金がそのままになっていないか。
(対応)回収不能額の把握。
土地 帳簿価格が時価と大幅に乖離していないか。
(対応)時価の把握。
建物 経営者しか使用していないような施設はないか。減価償却を毎期継続して適用しているか。
(対応)経営者による買取り検討。適正な減価償却の確認。
機械 不稼動設備を処分せずそのままにしていないか。減価償却を毎期適正に継続して適用しているか。
(対応)適正な減価償却の確認。
ソフトウェア 業務改善等に合わせて、システム更新をおこなっているか。

(対応)適切なシステム環境の更新。

有価証券
ゴルフ会員権
取得価格を記載している場合。
(対応)時価の把握。
積立保険金 満期はいつ来るのか。解約を検討しているか。解約済みのものが含まれていないか。
(対応)解約返戻金の計算。
賞与引当金
退職給付引当金
引当金を適切に計上しているか。
(対応)規程に基づく引当金の計算。
仕入債務 連絡先の不明な債務はないか。債権との相殺忘れ等から債務がそのまま残っていないか。
(対応)実際の債務の把握。
未払金、借入金等 簿外となっている未払金、借入金等はないか。

(対応)正しい負債金額の確認。

M&Aの事前チェックで確認する決算書類のイメージ

損益計算書

売上高 ・純額(手数料収入)とすべきところを総額で計上していないか。
売上原価 原価性のないもの、合理性のないものが含まれていないか。棚卸資産の評価方法は適切か。
販売費・一般管理費 会社の経費でない費用が含まれていないか。
営業外収益 合理性のない経営者からの収益はないか。
営業外費用 売上原価や販売費・一般管理費に計上すべきものが含まれていないか。
売上に減額すべきものが含まれていないか。
特別利益・特別損失 計上すべき妥当なものが計上されているか。
消費税の処理 売上経費に消費税が含まれている場合、租税公課等として販管費に計上されているか。
税効果会計 法人税等調整額が適正に記載されているか。
企業評価に影響を与える項目 役員報酬、経営者保険、家賃地代等

まとめ

  • 事業承継やM&Aの前には、貸借対照表・損益計算書の内容が実態を正しく反映しているかを確認することが大切です
  • 貸借対照表では、現金・売上債権・棚卸資産・貸付金・土地建物などの帳簿価格と実態の一致を確認します
  • 損益計算書では、売上高の計上方法や、原価・費用に不適切なものが含まれていないかを確認します
  • 適正な決算処理を日頃から意識しておくことで、譲渡価格交渉や引継ぎ後の経営判断がスムーズになります

よくある質問

結論:決算書チェックが必要な理由、貸借対照表・損益計算書それぞれの確認ポイントなど、経営者が特に気になる3つの疑問にお答えします。

Q

決算書のチェックは、なぜM&Aや事業承継の前に必要なのですか?

A譲り受け側や後継者から適正に評価してもらうためには、資産・負債や収益の内容が実態を正しく反映していることが重要だからです。帳簿上の数値と実態がずれていると、譲渡価格の交渉や引継ぎ後の経営判断に支障が出るおそれがあります。
Q

貸借対照表で特に確認すべき項目は何ですか?

A現金・預金の帳簿残高と実際残高の一致、回収が難しい売上債権・貸付金の有無、不良在庫の評価、土地・建物の帳簿価格と時価の乖離などが代表的な確認項目です。
Q

損益計算書ではどのような点をチェックしますか?

A売上高が総額と純額のどちらで計上されているか、原価性・合理性のない費用が売上原価や販管費に含まれていないか、営業外収益・費用の内容が合理的かといった点を確認します。

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佐藤 信

👤 監修者

佐藤 信(さとう あきお)

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2018.02.06 更新

By IRI M&Aコンサルティング編集部 | 2018年2月6日