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M&A用語解説
連結調整勘定(れんけつちょうせいかんじょう)
連結調整勘定とは、かつて日本の連結財務諸表で用いられていた用語で、親会社の投資(子会社株式など)と、これに対応する子会社の資本を相殺消去する際に生じる差額(消去差額)の名称です。現行の日本の会計基準ではこの名称は用いられておらず、同じ消去差額について、のれん(または負ののれん)という用語が用いられています。
旧来の取扱いは、企業会計審議会が平成9年6月6日に公表した「連結財務諸表制度の見直しに関する意見書」の連結財務諸表原則(平成9年連結原則)に定められていました。連結財務諸表原則(第四・三・2)は、親会社の子会社に対する投資とこれに対応する子会社の資本との相殺消去にあたり差額が生じる場合には、その差額を連結調整勘定とし、連結調整勘定は原則として計上後20年以内に定額法その他合理的な方法により償却するとしていました(金額に重要性が乏しい場合は、生じた期の損益として処理できます)。
この名称が改められた経緯について、企業会計基準委員会(ASBJ)の企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」は、投資と資本の相殺消去により生じた消去差額の名称は、平成9年連結原則では連結調整勘定とされていたが、平成20年連結会計基準では、企業結合会計基準に従い、のれん(又は負ののれん)に改めたと説明しています(企業会計基準第22号 結論の背景 第53項(3)、第64項)。現在の企業会計基準第22号は、相殺消去にあたり差額が生じる場合には、その差額をのれん(又は負ののれん)とし、企業結合会計基準第32項(又は第33項)に従って会計処理すると定めています(企業会計基準第22号 第24項)。
企業結合会計基準(企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準」)の第32項は、のれんを資産に計上し、20年以内のその効果の及ぶ期間にわたって、定額法その他の合理的な方法により規則的に償却すると定めています(金額に重要性が乏しい場合は、生じた事業年度の費用として処理できます)。企業会計基準第21号第33項は、負ののれんが生じると見込まれる場合には、取得原価の配分が適切に行われているかを見直したうえで、なお生じる負ののれんを、生じた事業年度の利益として処理すると定めています。償却期間については、企業会計基準第21号の結論の背景(第107項)が、平成15年会計基準では平成9年連結原則の連結調整勘定の償却に係る考え方を踏襲し、20年以内としたと説明しています。
古い書籍や資料、過去のM&A解説には、「連結調整勘定」という表記が残っていることがあります。そうした資料を読むときは、「連結調整勘定」が現在の「のれん」(又は負ののれん)に対応する旧来の名称であることを踏まえる必要があります。用語が置き換わったことと、会計処理が同じかどうかは別の問題ですので、過去の資料の数値や処理を参照する場合は、当時の基準を確認してください。のれんの会計処理、償却、IFRSとの違いなどは、のれん代のページで解説しています。
※会計処理は、個別の取引や適用する会計基準によって異なります。個別の取引については、公認会計士・税理士等の専門家にご確認ください。
株式の取得などにより会社を子会社とする場合、連結財務諸表の作成にあたって、親会社の投資と子会社の資本との相殺消去で差額が生じることがあります。この差額は、現在の日本の会計基準では「のれん」(または負ののれん)として扱われ、のれんについては、資産に計上して規則的に償却する会計処理が定められているため、買収後の連結損益に反映されます。
M&Aの資料や過去の解説で「連結調整勘定」という語に出会ったときに、それが現在のどの用語にあたるのかを知っておくと、買収価格と買収後の損益との関係を整理しやすくなります。
