
📋 この記事でわかること
- 整備士不足・後継者不足・EV化などM&Aが増えている背景
- 営業利益倍率・EBITDA倍率など整備工場の売却相場の考え方
- 高く売却できる整備工場の特徴と買い手が評価するポイント
- M&Aを成功させるために整理しておくべき情報
- 工場用地・建物を含めた不動産対応の重要性
目次
整備士不足・後継者不足・EV化…自動車整備工場のM&Aが増えている理由
結論:整備士不足、後継者不足、EV化への対応、設備更新負担という4つの課題が重なり、「廃業」ではなく「M&A」を選ぶ整備工場経営者が増えています。
「整備工場を廃業するしかない」と考える前に、現在、自動車整備業界では次のような課題が広がっています。
①整備士不足
若手整備士の採用が難しく、ベテラン技術者の高齢化も進んでいます。国家資格を持つ整備士は希少な存在となっており、人材確保は多くの工場にとって最重要課題です。
②後継者不足
家族が継がず、従業員にも承継希望者がいないケースが増えています。事業承継の担い手が見つからず、利益が出ていても廃業を検討する工場は少なくありません。
③EV化への対応
電気自動車の普及により、高電圧設備・専用診断機・新たな整備技術などへの投資が必要となっています。設備投資を負担に感じ、M&Aを選択するケースも増えています。
④設備更新
整備工場では、リフト・車検ライン・塗装設備・診断機器など高額設備が必要です。更新時期を機に売却を検討する経営者も増えています。

買い手企業から見た自動車整備工場の魅力
結論:国家資格整備士・認証/指定工場の体制・地域顧客基盤・安定収益という「すぐには作れない資産」が、買い手にとっての最大の魅力です。
買い手企業にとって、自動車整備工場は次のような魅力があります。
- 国家資格整備士を確保できる
- 認証工場・指定工場の体制を引き継げる
- 地域顧客をそのまま獲得できる
- 車検・点検による安定収益
- 中古車販売との相乗効果
- EV整備への展開拠点になる
特に車検収入や定期点検収入は継続性が高く、安定したキャッシュフローを評価する買い手が増えています。
自動車整備工場のM&A相場
結論:整備工場の評価は「営業利益倍率」「EBITDA倍率」「純資産+営業権」の3つの考え方を組み合わせて行われるのが一般的です。
一般的には次のような方法で評価されます。
| 評価方法 | 目安・考え方 |
|---|---|
| 営業利益ベース | 営業利益の3〜5倍 |
| EBITDA評価 | EBITDA×3〜6倍 |
| 純資産加算方式 | 純資産(現預金・土地・建物・設備等)+営業権 |
営業利益ベース
営業利益の3〜5倍程度が一つの目安です。
例)営業利益:2,000万円 → 企業価値:約6,000万円〜1億円
EBITDA評価
設備投資が多い業界のため、EBITDA×3〜6倍で評価されるケースも多くあります。
純資産加算方式
以下を加算して評価します。
- 現預金
- 土地
- 建物
- 整備設備
- 車検機器
- 工具
- 在庫部品
その上で営業権(のれん)が加算されます。

高く売却できる整備工場の特徴
結論:指定工場・複数の国家資格整備士・多い車検台数・自己所有の土地建物など、「他社が真似しにくい強み」を持つ工場ほど高評価を受けやすい傾向があります。
次のような工場は高評価を受けやすい傾向があります。
- 指定工場(民間車検場)
- 認証工場
- 国家資格整備士が複数在籍
- 車検台数が多い
- 法人契約を多数保有
- 保険会社との提携
- 地域シェアが高い
- 土地建物を保有している
- EV整備に対応済み

自動車整備工場M&Aのメリット
結論:売り手は廃業費用の回避や引退資金の確保、買い手は整備士確保や地域シェア拡大など、双方にとって明確なメリットがあります。
売り手のメリット |
買い手のメリット |
|---|---|
| 廃業費用が不要 | 整備士を確保できる |
| 従業員の雇用維持 | 地域シェア拡大 |
| 顧客との関係継続 | 車検顧客を獲得 |
| 社名を残せる可能性 | 設備をそのまま活用 |
| 引退資金を確保 | 売上を早期に拡大 |

M&Aを成功させるポイント
結論:財務・人材・設備・不動産の4つの情報を事前に整理しておくことが、スムーズな成約と適正な評価につながります。
①財務内容を整理する
決算書だけでなく、車検台数、入庫台数、保険契約、法人顧客などを整理しておきます。
②人材情報を整理
整備士資格、経験年数、年齢構成、役割分担は重要な評価ポイントになります。
③設備一覧を作成
リフト、診断機、コンプレッサー、塗装設備、工具などを一覧化すると買い手の安心感につながります。
④不動産を整理する
工場用地が自己所有か賃貸かによって評価が大きく変わります。また、土地、建物、都市計画、接道なども重要になります。

アイアールアイM&Aコンサルティングが選ばれる理由
結論:整備工場M&Aでは「会社」だけでなく「工場用地・建物」の扱いが重要になるため、不動産グループを持つ当社ならではの総合提案が強みです。
自動車整備工場のM&Aでは、会社だけでなく「工場用地」や「建物」の取り扱いが重要になるケースが少なくありません。
アイアールアイM&Aコンサルティング株式会社は、商業不動産を専門とするグループ会社を有しているため、工場や事業用不動産を含めた総合的な提案が可能です。
例えば、
- 工場用地を売却して事業のみ承継
- 不動産を保有したまま会社を譲渡
- 不動産と会社を同時に売却
- 賃貸工場の場合の貸主との交渉支援
など、一般的なM&A仲介会社では対応が難しいケースにも柔軟に対応できます。また、全国の買い手ネットワークを活用し、整備工場・中古車販売会社・カー用品関連企業など幅広い候補先をご紹介できます。

まとめ
結論:整備工場の価値は決算書だけでは測れません。整備士・設備・地域顧客・不動産を総合的に評価することで、想像以上の譲渡価格につながるケースもあります。
自動車整備工場は、人材・設備・地域顧客という価値を持つ事業であり、後継者不足やEV化への対応を背景にM&A市場での注目度が高まっています。廃業を選択する前にM&Aを検討することで、長年培ってきた技術や顧客との信頼関係を次世代へ引き継ぐことができます。
整備工場の価値は、決算書だけでは測れません。国家資格整備士の在籍状況、車検実績、認証・指定工場としての強み、不動産の価値などを総合的に評価することで、想像以上の譲渡価格につながるケースもあります。

よくある質問
結論:整備士の引退、認証・指定工場の資格引継ぎ、賃貸工場、期間、赤字決算など、経営者が特に気になる5つの疑問にお答えします。
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👤 監修者
佐藤 信(さとう あきお)
2026.07.07 更新
