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社外への引継ぎ(M&Aの利用)

佐藤 信

監修:佐藤 信アイアールアイM&Aコンサルティング株式会社 取締役
最終更新日:2018年2月6日

📋 この記事でわかること

  • 後継者不在時の2つの引継ぎ方法(法人へのM&A・個人への引継ぎ)
  • M&Aによる承継のメリットと注意点
  • 個人(後継者人材バンク等)への引継ぎのメリットと注意点
  • 引継ぎ前に行う現状把握のポイント(会社と経営者の関係・決算書の吟味)
📝 この記事のまとめ 📝
  • 後継者不在の事業引継ぎには法人へのM&A個人への引継ぎの2つの主な方法があります。
  • 法人へのM&Aは専門家に依頼することで幅広い候補の中から引継ぎ先を探せます
  • どちらの場合も、会社と経営者の関係整理や決算書の吟味など現状把握から始めることが大切です。

事業を次の担い手へバトンタッチするイメージイラスト(M&Aによる社外への引継ぎ)

1.法人への引継ぎ(M&A)

M&Aは、財務・法務・税務等に関する専門的な知識が必要であることから士業の方へご相談されることが一般的ですが、M&Aの実務を経験していない方がほとんどです。
最適な引継先を見つけるには、マッチングを含めてM&Aの全体を把握できるスキルを有するM&A仲介専門者へ依頼することが必要です。

<M&Aによる承継のメリット>

  • 広く候補者を外部に求めることができる
  • 従業員の雇用や取引先との関係を維持することができる
  • 事業の譲渡代金の一部を手元に残すことで、これまでの負債を清算することや、その後の生活の原資を得られる可能性がある

<注意点>

  • 希望する譲り受け先を見つけるためには一定の時間を要する
  • 情報の守秘を徹底する必要がある
    相手との合意(譲渡価格、取引条件など)が形成されなければ、成約につながらない。また、着手するタイミングも重要である。

2.個人への引継ぎ

後継者不在の小規模事業(個人事業主を含む)は国の用意する「後継者人材バンク」等を利用して後継者を見つける方法等があります。ただし、この方法は引継ぐ個人の資質により結果が大きく変わってしまうため、利用しずらい方法となってしまっています。様々な取り組みにより早急な改善が求めれるところです。

<事業による承継のメリット>

  • 地域の顧客や取引先との関係を継続することができる
  • 従業員を継続雇用することができる

<注意点>

  • 起業家を希望する個人の資質を見極めるのが困難
  • 個人債務保証の引継ぎについて検討が必要となる場合が多い

3.現状の把握

事業引継ぎにおいても親族内承継等と同様に、会社の現状把握を行う必要がありますが、とりわけより早く、有利な条件で引継ぎを実現するためには、日頃から社内体制や決算処理の点検等を行うことが大切です。
現状把握は、経営者自ら取り組むことも可能ですが、専門家に協力を求めることも有効です。個人事業主の場合も同様な観点を持つことが望ましいといえます。

ア.会社と経営者の関係

会社の資産や負債、経費等に関して、会社と経営者の関係を明確にすることが大切です。

○チェック項目例

□会社の事業に必要な土地・建物・車等を経営者から借りている場合又は、会社資産を経営者に貸している場合
(賃貸契約書を締結しているか、賃料水準は社会通念上妥当か)
□経営者と関係を有する会社や個人との取引がある場合
(通常と異なる価格、条件、非合理的な取引、勤務実態のない給与等はないか)
□会社と経営者との間で資金の貸付け(借入れ)がある場合
(金銭消費貸借契約書、返済計画書、利息計算書の有無。約定どおり回収・返済がされているか。)
□役員報酬(役員賞与・役員退職慰労金を含む)
(支給額は株主総会決議の範囲内か。規程は整備されているか。)

イ.決算書の吟味

事業引継ぎにおいては、譲り受け側から適正に評価されるよう、日頃から適正な決算処理を意識するとともに、譲渡価格の交渉に備え、実態ベースで純資産を把握しておくことが大切です。

まとめ

  • 後継者不在の事業引継ぎには、法人へのM&Aと、個人(後継者人材バンク等)への引継ぎという2つの主な方法があります
  • 法人へのM&Aは、M&A仲介の専門家に依頼することで、幅広い候補者の中から引継ぎ先を探すことができます
  • 個人への引継ぎは、引き継ぐ人の資質によって結果が左右されやすいという注意点があります
  • どちらの方法でも、会社と経営者個人の資産・負債の関係を明確にし、決算書を適正に整理しておくことが、有利な条件での引継ぎにつながります

よくある質問

結論:法人・個人への引継ぎの違い、後継者人材バンクの限界、引継ぎ前に確認すべきことなど、経営者が特に気になる3つの疑問にお答えします。

Q

個人事業主でも第三者への事業承継(M&A)は可能ですか?

A可能です。法人と同様に、M&A仲介の専門家を通じて譲り受け候補を探す方法があるほか、個人事業主向けには国が提供する「後継者人材バンク」等の制度を利用する方法もあります。
Q

「後継者人材バンク」を使えば必ず後継者が見つかりますか?

A必ず見つかるとは限りません。結果は引き継ぐ個人の資質等により大きく左右されるため、利用しづらい面があるとされています。M&A仲介による第三者への引継ぎと合わせて検討することが一般的です。
Q

事業引継ぎの前に、まず何を確認すればよいですか?

A会社と経営者個人の資産・負債の関係(貸付・借入・資産の貸し借り等)や、決算書の内容が実態を適正に反映しているかを確認することが大切です。早い段階で現状を把握しておくほど、有利な条件での引継ぎにつながりやすくなります。

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佐藤 信

👤 監修者

佐藤 信(さとう あきお)

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2018.02.06 更新

By IRI M&Aコンサルティング編集部 | 2018年2月6日