ADR(えーでぃーあーる/American Depositary Receipt)

ADRとは「American Depositary Receipt」の略で、日本語では「米国預託証券」と呼ばれます。米国外の企業(米国企業の外国法人子会社などを含む)が発行する株式などの有価証券について、その所有権を示す、米ドル建てで発行される譲渡可能な預り証書です。

仕組みとしては、米国の預託銀行が発行企業の株式を保管し、それに対応する形でADRを発行します。これにより米国の投資家は、為替手続きや外国の証券口座開設といった手間をかけずに、米ドル建てのままその株式に相当する証券を米国市場で売買し、配当金を受け取ることができます。

発行企業側にとっては、米国の証券取引所に直接上場することなく米国の資本市場で資金調達を行えるほか、米国での知名度・信用力の向上にもつながるというメリットがあります。クロスボーダーのM&Aにおいても、買収対象となる外国企業がADRを通じて米国投資家にとってアクセスしやすい状態にあるかどうかは、資金調達手段や株式を対価とするM&A手法を検討するうえでの一つの要素となります。

投稿者: | 2026年7月16日